ポールは、生活のあらゆる点においてかなり合理的な考えの持ち主なのですが、ファッションについてもまさにそう。
穴が開いたり、サイズが合わなくなったり、という何らかの理由がなければずっと大切に着続けています。放っておくと、新しい洋服を自分から買いに行くことは絶対にないので、ポールの洋服を買うのは私の役目。見切りをつけて捨てるのも私の役目。
サイズもちゃんと分かってるし、色の好みは暖色系意外ならなんでもOK、そして何より大切なのが機能的であること。夏は涼しく、冬暖かく、丈夫で長持ち。希望はそれだけ。
デザインや素材についても一切文句を言ったことがなく、しかも全て愛用してくれるので、こちらも選び甲斐があるというもの。
ただ、夏に「コーデュロイ」のパンツが欲しいと言われたときはさすがに参りました。ポールに言わせると「コーデュロイ」は、とにかく履き心地がいいのだそう。
とはいえ、日本では夏に履く人はあまりいないので、見つけられずにいたら、8月に里帰りしたときイギリスにはありましたよ、たっくさん。
イギリス人はファッションについて本当に合理的。見てくれはどうあれ、自分が心地いいかどうかだけがポイント。
たとえ季節的には真夏だって、寒ければ分厚いセーターやオーバーコートも着る。真冬だって、暖かければTシャツ1枚に短パンで外に出る。
季節によって『衣替え』という認識がほとんどなく、体感温度によってのみ着る物を調整しているようです。
今回の旅行中も、キャミソールの人もいればオーバーコートを着込んだ人もいる、という感じで、服装だけ見ていると、「今の季節は何か分かってる?」と問いかけたくなります。
ケイト・モスやナオミ・キャンベルのようなスーパーモデルを輩出し、バーバリーやアクアスキュータムなど老舗ブランドも数多いイギリスではありますが、「イギリス人はファッションセンス・ゼロ」と一般的に言われる所以はこの辺にあるのでしょうか。。。