語学の面白さ

英語やフランス語を勉強していて、面白いと思うのが、言葉そのもののニュアンスの違い。

どんな言葉も文化的背景があるので、ときにその違いに深く考えさせられることがあります。

日本の英語教育は会話よりも翻訳。日本語を英語に直訳したり、英語を日本語に直訳したり、という作業を中学生の頃から繰り返してきています。

翻訳教育の弊害は、「読み書きはできても話せない」ということのほか、「一語一句、それに対応する単語がどの言語にもあると勘違いしてしまう」ということにも現れてきます。

言語が違う以上、一語一句、同じ単語があると思うのは大間違いで、不可能です。

たとえば、日本語の「恥ずかしい」という単語。
日本では、
大衆の面前で転んで「恥ずかしい」のも、
万引きをして警察に捕まって「恥ずかしい」のも、
同じ単語「恥ずかしい」を使いますが、
英語ではそれぞれ
”be embarrassed” と
“be ashamed”
という全く別の単語を使います。

そのため、どちらも日本語訳が「恥ずかしい」だからといって、両者を混同して使うと、全くおかしな英語になってしまい、聞いている相手に「なぜ?」という思いを抱かせてしまいます。

つまり、
思わず顔が赤くなってしまうような「恥ずかしさ=be embarrassed」と、
何か悪い「恥ずべきこと」をした時の「恥ずかしさ= be ashamed」
は、英語では全く違う単語になってしまうわけです。

フランス短期留学中、ステイ先のマダムが遠方の息子と電話で話しているのが聞こえてきました。

直訳すると

母:「愛してるわ!いつもあなたのこと考えているのよ。抱きしめてキスしたいわ!」

最初は、「この親子関係、絶対おかしい。。。もしかして・・・」などとかなり仰天しましたが、何度も同じ言い回しを耳にしているうちに、ただの挨拶(締めの言葉)とでも言うべきものだということが分かってきました。

直訳は危険です!あらぬ誤解を招きます。

ある言語を話す以上は、その国の言語は、その国の言語で、文化的背景も含めて理解したいものですよね。

何年かかるかはわかりませんが、少なくとも夫の国の言葉=英語だけは、いつの日か、この域まで達したいと願ってやみません。

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