ポールが泣いた本

『モリー先生との火曜日(Tuesdays with Morrie)』

もう何年も前の話ですが、ポールはこの本を読んで泣きました。

絶対泣かないポールが泣いたのには正直言って私も驚きました。

ストーリーは、「スポーツコラムニストとして活躍する著者が、大学時代の恩師が難病に侵されていることを知り、16年ぶりに再会。その日以来、毎週火曜日をともに過ごすようになり、死期が迫る先生から『人生の意味』について学ぶ」という感動の実話です。

ポールはこの本を読んで、46歳で亡くなった父親とその時の自分を鮮明に思い出したそうです。

ポールのパパは、家や教会などのリフォームを専門に行う特殊技術を持った大工さん。

身長180cm、100㌔で、病気ひとつしたことがない屈強な大男だったそうですが、家族に豊かな生活をさせたい一心で無理をして働き、肉体を酷使し過ぎたことが原因で、背骨の軟骨が擦り減って身体を動かすことができなくなり、他の病気を併発して亡くなりました。

自分の死が近いことを知ったパパは、死ぬ前に息子に伝えるべきことを必死で教えようとしていたそうです。
「パパが死んだら、おまえが、ママや妹をしっかり守るんだよ」と。

にも関わらず、当時12歳のポールには「父親の死」というものが受け入れられず、父親の言葉に耳をふさぎ、全く話を聞こうとはしませんでした。

この本を読んだ時、死を前にした父親の気持ちがすっと心に深く入りこんできて、父親の話を全く聞かなかった愚かな自分を後悔する気持ちが一気にこみ上げ、涙が溢れて止まらなくなったのです。

その後、この本が映画化され、2人で見た時も、ポールは嗚咽をこらえて泣いていました。

若くして死んだ父親の無念さと自分の愚かさを思って。

でも、大丈夫だよ、ポール。親の死を受け入れられない息子の気持ちが、きっとパパにはよく分かっていたと思うから。。。

本当に感動のストーリーです。
「人生の意味」、「本当の幸せ」についてのエッセンスが散りばめられ、深く考えさせられます。

英語版も日本語版もあるので、ご希望の方にはお貸しします。

是非ご一読を!

コメント

  1. 私も、台湾人の友達にこの本をプレゼントでもらって、留学時代に読みました。
    ポールの気持ちよくわかります。死を前に大学の先生が色々学生へ教えるんですよね。
    以前はあまり感情移入できなかったけれど、私も父を亡くしてからは、こういう本を読むと号泣します。最近、重松清さんという方の書いた「その日の前に」を読んで、号泣しました。というか途中で読めなくなって、売ってしまいました。
    家の父もそうだったのですが、父が残した言葉は、聞き流していたようで、すごく心に刻まれています。きっとポールもそうなんでしょうね。

  2. ゆかりもお父さんを亡くしていたんだね。
    父親を失うというのは、本当に辛いことだけど、今は、悲しむのではなくて、短い間ではあったけど、大好きだった父と一緒にいることができたことをを幸せに思うになってきました。
    12歳で父親を亡くしたときの最初の感情は、実は「怒り」でした。
    正直に言うと、「どうして、僕を残して死んだんだ!」というのが、かなり長い間抱いていた感情です。
    でも、たった12年間という短い年月で、父は僕に本当にたくさんのことを教えてくれていました。
    大人になった今、僕の人生にこれほど大きな影響を父が与えてくれたということを考えると、それだけ僕と父の関係は深いものだったとはっきり思えるようになり、感謝するように考えが変わってきたんです。
    大切な人を失ったとき、悲しむのではなく、その人と出会えたこと、同じときを過ごせたことを感謝し続けようと思う。
    そうすれば、いつまでの心の中で生きていてくれるから。

  3. モリー先生との火曜日ですね。ビデオやさんに行ってみます。まず本から入ったほうがいいかな?
    ちなみに私は以前泣き虫ッ子だったのですが、ヒロと一緒に仕事をはじめてから「女の涙は(仕事の上で)ずるい、やめてくれ!」といわれてから、ヘマするたびに上を向いて、涙をこらえてきました。当たり前の事だと思われると思いますが。蝶よ花よと育てられた私にとっては泣かないというのはかなり厳しい修行でしたが、いまでは泣く事がなかなか出来なくなってました。でも最近では映画を観たり本を読んだりして泣く事はOKなんだなーっと気がつき、すこしでも感動する場面などがあると、ここぞとばかりに泣きまくってます。昨日はマラソンを見てQちゃんがゴールする前からヒロと2人で泣き、ゴール後のコメントを聞いては又泣き。泣いたり笑ったりって人生において大切ですよね。

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