敬語・丁寧語

ポールが日本に来てから9年になろうとしています。

日本語もほとんど理解できるようになり、時に難しい日本語を使って、周囲を驚かせたりすることもあるポールですが、いまだに苦手なのが敬語・丁寧語の類。

ポールと初めて会う人は、たとえ私の友人であっても、彼に話しかける時に初対面の礼儀として敬語や丁寧語を使ってくれたりするのですが、そうなるとポールの頭はパニック状態。
簡単なことも突然理解できなくなったりします。

とはいえ、私の友達も、彼に対して大いに気を遣ってくれているせいで、
「出身はどこ?」と聞いてくれればいいのに、外国人を目の前にして、何故か突然「お生まれはどちら?」なんて、本人も言い馴れない言葉が口をついて出てきたりしているのがなんとも笑えるところ。

ポールが日本の銀行に口座を開設に行ったときのこと。

とっても親切な女性行員だったそうですが、とにかく接客は敬語が基本なので、
「~していただいて」の「いただいて」という言葉を連発。

「いただいて」という言葉に引っ張られてすっかり内容が理解できなくなった彼は、
「すみませんが、もう一度、簡単な言葉でゆっくり話してください。敬語は必要ありません!」と頼んだそうですが、彼女は、にこやかにうなずいて、もう一度説明を試みるものの、突然お客様を前にしていわゆる「タメ口」で話すのは難しかったようで、かなりてこづっていたそうです。

お客様商売のその女性にとっては、突然、フランクに話してと言われても、
「ここにハンコ押して」、「そこに名前書いて」、「じゃ、サインして」というのは、「お客様に対して失礼」という感情が働くので無理な話。

そう考えると、日本語って本当にやっかい。

日本語に不慣れな人に対しては、とにかくシンプルな言葉で伝えるのが一番重要なのですが、大人になると、これが意外と難しい。。。

逆に、ポールの母国語が日本語ではないということを重々承知していても、ず~っと目上の人に、「○○したの?」といった軽い調子で彼が話しかけているのを聞くと一瞬ギョッとしたりします。

美しい日本語とされるべき『敬語・丁寧語』、もっと簡単だったら良かったのに。

コメント

  1. ほんと、丁寧語と敬語って難しいですよね。
    海外に暮らして13年目、日本語を話す機会と言えば実家や友人に電話をする時くらい…丁寧語や敬語なんて使う機会が全くありません。
    でも転職してから、日本人の顧客と話す機会があるようになり(週に1回とかですけど)丁寧語と敬語に奮闘しています。
    全然、丁寧にしゃべれません。
    敬語も使えません。
    意識しすぎて「ごさりまする」とか言っちゃったり…
    調子にのって「○○じゃん」と言ってしまったり
    日本語しゃべれないです。
    あまりにもドジばっかりしているので
    最近はなるべくメールで対処と思ってるんですけど
    これまた「です、ます、ございます」の連続で
    なんだか小学生の日記みたい。
    日本語ってほんと難しいです(笑)

  2. 以前、皇室担当記者が、
    『只今、紀宮様が御階段を御上りになられました』と真顔で言っていたのを見て笑ったのを思い出しました。”御”を付けりゃいいってもんじゃないんだよぉ・・日本語はw。

  3. 私も敬語・丁寧語を正しく使えているかというと、いまだに疑問で、言ってしまってから、「今ので良かったんだっけ」などと言うことが多々あります(ポールのことを心配している場合じゃない)。
    テレビでもしゃべりのプロが時々おかしな日本語話しているときありますよね~。
    「美しい日本語」の類の本が、最近良く売れてるのがわかる気が・・・。

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