ヨーロッパでは普通にできるけれど、日本でなかなか出来ないのが、「歩きながら食べる」こと。
日本と違って、イギリスやフランス、イタリアでは、サンドイッチやフルーツなどを歩きながら食べることには、とっても寛大で、日本で言われる「マナー違反」や「だらしない」、「かっこ悪い」という認識は全くないようです。
街の至るところで、子供から大人まで、歩きながら飲んだり食べたり。。。
ビジネス街でも、スーツ姿でバゲットのサンドイッチを食べながら新聞を小脇に抱え、颯爽と早足で歩く人の姿をたくさん見かけます。
その姿があまりにもサマになっていて、カッコいいので、決して、
「この人、寝坊して朝食べる時間がなかったのね」
とか、
「もう、本当にみっともない」
という感想を抱くことがありません。
風景にすっかり溶け込んでいて、ごく自然。
以前、パリで、こんなことがありました。
地下鉄に乗っていたとき、ある駅で、高校生らしきひとりのとってもかわいらしいパリジェンヌが乗り込んできました。
陶器のように真っ白な肌。ブロンドの長いウェーブヘア。Tシャツにジーンズというシンプルなスタイル。折れそうに細い体にカバンを斜めがけ。
同性でも思わず見とれるほどの可愛らしさと上品さ。
幼いながらも気品漂う身のこなし。
どこぞのお嬢様かとおもいきや、その子ったら、ドアにもたれて立ったまま、カバンの中から、真っ赤なりんごをひとつ取り出し、歯みがき粉のCMばりに思いっきりガブリ。
抱いていたイメージとのギャップに驚くとともに、その潔さがまたカッコいいのなんのって。
そのシーンが、あまりに印象的で、映画のワンシーンのように、私にとっては、美しいとびっきりの光景として10年以上たった今も目に焼きついているのです。
日本では、堂々とできることではないので、することはありませんが、ヨーロッパを旅行中は、ここぞとばかりに、「歩きながら食べること」を思いっきり楽しんでしまいます。
あの開放感、一度やったらやめられません。
外で食べると、どうしてあんなにおいしいの?
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