『女いっぴき』強い姉の弱み

先日、函館に住む姉から電話が来た。

年子で、仕事の良き相談相手。

自他共に認めるバリバリのキャリアウーマンの姉は、同じ両親のもとで育ったとは思えないほど、私とはまったく性格が違う。

母が、「男に産んであげていれば良かった」と本気で嘆く、仕事一筋で頼りがいのある3姉妹の長女。

同じ業界で仕事をしているので、いまでは共通の知り合いもたくさんいるけど、顔がかなり似ているにもかかわらず、私たちが姉妹だと知って驚かなかった人はいない。

姉の噂が私のところに洩れ聞こえてきたりすることもあるけど、その存在感は相当なようだ。

ひところついたあだ名は『鬼軍曹』だったし、姉が社内を歩くと、「みんな道を明けてたよ」と聞かされた。

どうも冗談では無さそうだ。

子供の頃から、親からも親戚からも学校の先生たちからも、どこにいても周囲から一目置かれる存在だった。

今でも、そんじょそこらの同年代の男性たちより、よっぽど『男っぷり』がいいし、収入だって負けてない。

車をお散歩がてらに見に行って即決、親指でハンコをついて契約してきたこともあるし、ハイブランド物のスーツだって試着もそこそこに躊躇なくお買い上げ。

好きな時に一人旅にふらっとでかけ、暇さえあればスパ三昧。

そんな悠々自適な独身生活を満喫している姉にも弱みがある。

それは、やっぱり、『独身』であるということ。

あれだけ仕事に夢中になっていたら、男性の存在はかえって仕事の邪魔になるのは間違いない・・・と妹としてはつくづく思っている。

『独身』であるからこそ、あれだけ仕事に打ち込めるんだ・・・と思う。

当の本人も普段はまったく気にしていないようだが、親戚一同が集まるのだけは異常に嫌う。

3姉妹で、下の妹2人が先に結婚してしまったせいで、「お姉ちゃんは、まだなの?」という無邪気な親戚たちの問いかけには相当辟易しているらしい。

家事手伝いで実家でずっと花嫁修業をしているならまだしも、完全に独立して男性にも負けないほど仕事をこなしている姉が、そんなことを気にしているなんてまったく思いもしなかったので、妹の結婚式の後、親戚の集まりにも出席せず、そそくさと逃げるように自宅に舞い戻った姉を見て、はっと気づかされ、正直驚いた。

「仕事で忙しいから」って言い返せばいいだけのことなのに、そんな言葉が親戚にはなんの意味も持たないことを痛いほどわかっているからだ。

そして、最近、もうひとつ姉の弱みが増えた。

それは、昨年6月に誕生した甥っ子ちゃん。

離れて住んでいるにもかかわらず、今じゃ姉は完全にただの『貢ぐ人』。

すぐに着ることができなくなるとわかっているのに、高級ブランドのベビー服を買い捲り、写メを送ってと頻繁に懇願しているらしい。

甥っ子ちゃんのそばにいたい、と思いもかけない発言をするまでになった。

甥っ子パワーは本当に絶大だ。

両親もすっかり初孫に夢中。

サラリーマン時代は、まったく子供に興味がなかったと思える気難し屋の父も、定年した今となっては孫に夢中のただの好々爺。

先日、実家に遊びに行ったときも、実の娘が久々に来ているというのに、両親はずっと遊びに来ている孫の姿を目で追っているばかりで、こちらの話などまったく聞いちゃいない。

実家ではそんな状態なので、これまで特別ゲストとして至れりつくせりの厚待遇を受けていた姉も今じゃ孫の前では完全に透明人間。

甥っ子ちゃんが実家での姉の存在を脅かしはじめたことは否めない。

喜ぶべきか、悲しむべきか・・・。

姉の新しい弱みは『甥っ子ちゃん』。

そんな姉が、「面白い漫画を見つけたから送るね!」と言って早速送ってくれたのが、伊藤理佐さんの『女いっぴき、猫ふたり』。

この漫画家さんも3姉妹らしく、まさに今、実家で起きているようなことが面白おかしくつづられていて、かなり笑えた。

本人も気づいていないかもしれないが、「猫飼おうかな・・・」という姉の気持ちの表れかもしれない。

そう、人間ひとりでは生きられない。

猫なら一人暮らしにもぴったりのはず。

姉と猫の掛け合いは、漫画よりも面白いに違いない・・・。

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“『女いっぴき』強い姉の弱み” への2件の返信

  1. 女いっぴき、猫ふたりですか。。。。私だ!{ガッテン}。
    私はeriさんのお姉さんと違ってバリバリ仕事ができる訳では
    ないし、生活はギリギリですが、それでも状況はよく分かります。
    弟は先に結婚し、従弟の中では一番上。
    年下の従弟達が次々と結婚し始めて、
    披露宴の前の親戚同士の顔合わせでもなんかバツが悪いです。
    祖父母がいる実家には、正月には絶対戻りません。
    親戚が集まるから。
    やはりネコと人間は違うので、パートナーは欲しいですが
    結婚したい!とは思ってないんですよね。
    でも田舎の人達の前ではそんな話は分かってもらえないし、
    面倒くさいので避けちゃいます。
    『負け犬の遠吠え』が話題になった頃はまだネコを飼って
    いなかったのですが、その本に、”一人暮らしでネコを飼っている
    女性は最悪”って書かれてあって、
    じゃあ飼ってやろうじゃないかって思ったんです(笑)。
    ひねくれてますかね。
    ネコいいですよ~。お家にあまりいらっしゃらないのであれば
    2匹がおすすめです(笑)。{ねこ}

  2. >Joyveさん
    私の周りには、姉のみならず、同年代で独身の女性もたくさんいますが、仕事も遊びも目いっぱい楽しんでいて、結婚したいと思わないという気持ちもよ~く理解できるし、自由な身軽さがうらやましく思えることも多々あります。唯一の敵は『親戚』だけですね。
    『負け犬の遠吠え』、私も姉に勧められて読み、当時は私も独身だったので、会社のみんなで回し読みしたり。
    猫、禁止でしたね。確かに。あと、母親との旅行も。
    腕組みも、「・・・っす」も。踊りに夢中になるっていうのもありましたよね。
    私も猫以外については、「これって私のこと?」ってくらい指摘があたってて笑っちゃいました。
    猫2匹も飼っているんですね~。伊藤理佐さんの漫画『女いっぴき、猫ふたり』を読んで、猫の可愛らしさにかなり癒されました。
    先日もペットショップに立ち寄ったら、手のひらサイズの子猫ちゃんがいて、あまりにかわいくてショーケースに張り付いて見てしまい、かなり怪しい人になってました。
    かわいい・・・かわいすぎる。
    猫もかなり魅力的ですね。

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