フランスつながりの、いつものワイン会で、年内に結婚を控えた後輩のKちゃんと食事。
「結婚」という大きな決断をして、幸せいっぱいの彼女。
本当にうれしそう。
彼女の結婚を知って、一体何人の男性が泣いているんだろう、と思わずにはいられない、美人でキュートなKちゃん。
聞けば、1年と少し前に付き合いはじめた当初から、彼とは「結婚」を意識していたらしく、決断するには時間がかからなかったらしい。
結婚するまでに7年かかった私としては、その直感に驚くばかり。
久しぶりに、そんなおめでたい話を噂で聞きつけたちょうどその頃、私がこのブログに書いた過去記事「束縛は愛?!」(←過去記事はココをクリック)にコメントが入った。
書いたことさえすっかり忘れていたような、遠い昔の話。
今、お付き合いしているオーストラリア人の彼との交際に悩んでいる女性からのもので、彼との状況が、私とポールが最初の頃にぶつかった問題にとっても似ているのらしい。
問題というのは、彼の「束縛」。
その問題を、「どうやって、乗り越えたのか?」という彼女の真剣な問いかけに、遠い昔を思い出した。
今じゃ、私に対してまったくノーマークのポールだけど、付き合い始めの頃は、相当チェックが厳しかった。
日本人同士でも、もちろんよくあることだけど、最初は、お互いの愛情が本物かどうか、その真意をはかるのに神経を研ぎ澄ませてしまうもの。
やめるなら今。
深入りして、捨てられて、傷つくくらいなら、最初から好きにならない方がいい。
面倒なのはお断り。
プライドや防衛本能ゆえの葛藤。
文化が違うならなおさら。
まして、「ホンネ」と「タテマエ」という言葉が、日本の文化を表すものとして、外国人にも理解されるようになっているなら無理もない。
誤解されないように、日常会話にも気を遣い、寝言を言わないように緊張しすぎて歯を食いしばって寝ていたせいで、口の周りに深いしわができ、ある朝、目が覚めたら、下の前歯が折れていたこともあった。
というのも、私が寝言で、違う男性の名前を呼んだ(上司に文句を言いたくて叫んでる夢を見ていたのかもしれないし、それが男性の名前だとポールに何故わかる?!という疑問がいまだにあるけど)と言って、彼が部屋を飛び出していったことがあったから。
それくらい、緊張する関係だった。
そんな状況をどうやって乗り越えたのか。
彼を理解することができるようになったきっかけを教えて欲しいという彼女の問いに、必要なのは、「信頼関係を築くこと」、そのためには、なんでも話して「嘘をつかないこと」だと偉そうにアドバイスしてしまった。
その後の、彼女からのコメントに、「どうでもいいことで嘘をついて、それが壁になってしまった」ということが書かれていて驚いた。
これこそ、私のときとまったく同じ。
私も同じことで、ポールと大喧嘩をした。というより、見切りをつけられたことがある。
「そんなどうでもいいことで嘘をつく人間をどうやって信用できるんだ?!」というのが彼の言い分。
今では、そのどうでもいい嘘がどんなものだったか、思い出すこともできないけれど、誰かと飲みに行く約束をしていたのに言わなかった・・・とか、本当にささいなことだったように思う。
ポールにとっては、「言わないこと」も「嘘をつく」のと同じこと。
彼が心配するからと思って、わざと話さなかったことが、思いっきり逆効果だった。
そんな緊張関係を乗り越えつつ、別れたり、くっついたり。。。
気がつけば、付き合い始めから10年。
結婚して3年。
今は、くだらなすぎることでも何でも話して、嘘をつくことも、その必要もない。
ほとんど喧嘩をすることもない。
憚らずに言うと、大変な時期を乗り越えて、結婚後、当時は想像もつかなかったほど関係は安定した。
でも、唯一私が恐れていること。
ポールは絶対に嘘をつかない。
だから、他に好きな人ができたら、はっきりと告げられると思う。
あれだけ「人が嘘をつく」ことを非難したポール。
絶対に、影でこそこそ付き合うようなことはない。
それを良しとするかどうか。
母曰く、「そればっかりがいいとは言えないんじゃない?!日本人には、義理人情があるのがいいところなんだから。たとえ騙し騙しでも・・・」。
人生、まだまだ先は長い。
人間の心なんて何があるかわからない。
彼に心から好きな人ができて、そのことを告げられたとき、「ポールが幸せならそれでいい」と受け止められるのかどうか。
はっきり告げられた時の私の心のあり方が、正直なところ想像できない。
怒りで震えるかもしれない・・・。
泣いてすがるかも?!
果たして、映画やドラマのように、プライドを保ち、「仁王立ちして、王者のように去る」ことが私にできるのだろうか。
最近結婚したばかりのタレントが、インタビューで、幸せいっぱいの表情をたたえながら、「女遊びは、見えないところでやって」というようなことを言っていた。
それを聞いて、私は、最初から嘘を容認するかのような彼女の発言に驚いた。
人それぞれ恋愛や結婚に対する考え方は違う。
ただひたすら、平穏な結婚生活が続くことを祈るのみ。
結婚を控えたKちゃん、コメントをくれた彼女の話で、「恋愛とは」、「結婚とは」について、久しぶりに考えさせられてしまった。
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コメント
結婚と恋愛ですか~
オランダはゲイにオープンな国だし結婚もパートナーシップも同じ扱い。
子供が生まれない限り特に結婚にこだわる人は少ないのですが・・・
精神的な支えのパートナーと性交渉を持つパートナーを同じとしない人も私の友人に何組かいらっしゃいますね。。。
彼らの話を聞くと建前じゃなくって
人を上辺だけではなく中身までちゃんと見ているな~と感心させられます。受け止める器が大きいって言うのかしら??
どこか合わないところがあっても他の部分でしっくり来れば
小さいズレは見逃すって言うか・・・・
私の場合は普通に恋愛し男の人と結婚したので上の例とは違うのですが、、、、
人間関係のあり方って千差万別。自分の価値観だけで
”どれが良くて、どれが悪い”というのは一概には言えないんだな~と感じてます。。
結婚と恋愛って難しいですね・・・奥が深いです。
本当に状況がeri-ponさんと似ていて。。。びっくりしました。
彼と外にいるときに、私がちょっとおしゃれな男性のことを、
目で追ってるとか言われたり。。。私は無意識だったんですけど{汗}
でも、本当に失いたくないものは何かって言うことは、今はっきりしているので、ちょっとずつでも本当の信頼関係を築くことができて、平凡な毎日でもいいので、幸せにすごしたいなって思っています。
>Rietjeさん
そうですよね。ヨーロッパって、いろんな『愛』のかたちを受け入れているというか、なんというか。
恋愛のみならず、価値観の多様性を認めてるところはありますよね。
特にオランダは、仕事の仕方にしても、結婚の形にしても、先進的で、参考になることがいっぱいありそうですよね。
>めいひなこさんへ
素敵な男性を目で追ってしまうのは、ただの動物的『本能』だと思うんです。無意識の行動。
なのに、そのことで、ポールと「別れる」だなんだと大喧嘩になったときには、さすがに、「ポールって、絶対異常だ!」と思ったこともありました。
でも、付き合い始めの頃以外は、そういうことは一切なし。
初めの頃が、特に「慎重」だということなんでしょうね。
そのくらい、相手も真剣に考えてくれているんだと思って、あきらめずに、誤解は真剣に解いていかなくちゃ!ですね。