マナーの達人への道

「礼を尽くす」「得意料理をもつ」「愛されるより愛する」――日常の立居振舞いに、女性の生き方と品位はおのずと表われる。(PHP文庫 書籍紹介より)

昨年秋、出版されるや否や、すぐに話題の本となり、多くの女性が読んだ『女性の品格』(PHP新書)。

自分の至らなさを知るのが怖くて、まだ読んでいないけど、私は、恐ろしいほどマナーに弱い。

恥を忍んで告白するけど、よく今まで無事に生きてきたと思えるくらいの礼儀知らず。

まず、私がはじめて、自分の礼儀のなさを知ったのが、結婚したとき。

家族だけの、しかも日本の家族だけの食事会という形を取ったポールと私の結婚。

結婚式に友人たちを招待するということがなかったため、ごく親しい人には、前もってメールで結婚の報告をし、後日、結婚式の写真を載せたハガキで、友人・知人に改めて「挨拶状」を出すという方法を取った。

私が驚いたのは、事前に知らせた友人たちからは、メールでのお祝いメッセージはもちろん、結婚当日に花束やプレゼントが届き、後日お知らせした人たちからも、続々と贈り物やお祝いのメールが届いたこと。

挨拶状を送った私としては、結婚したことを報告したかったし、そうすべきだと思ったからお知らせしただけで、贈り物やお祝いのメールが届くことなど考えてもいなかった。

・・・というのも、私がこれまで、こういう挨拶状をもらっても、何もしてこなかったから。

もちろん、「結婚したんだ。おめでとう!」「本当に幸せそう!」と、友人たちの結婚を心から祝い、大切にハガキを棚に飾って眺めたりしていた。

年賀状の住所録もちゃんと書き換えた。

だけど、挨拶状をありがたくいただいただけで、挨拶状をくれた相手に対する行動に移してこなかった。

それが、自分の結婚で周囲の対応を見て、私のこれまでの対応が、恐ろしく誠意のないものだったいうことを思い知らされ、思いっきり反省した。

仲がいい友人たちは、私から何の音沙汰もないことに、不審に思ったことだろう。

ちゃんとハガキが届いているのかどうか心配したことだろう。

本当に歯がゆい思いをさせてしまったに違いない。

あれこれ考える必要はない。

ただ、「挨拶状を受け取ったよ。心からおめでとう」それだけを伝えれば良かったのに。

そのとき、同時に気づいたことがもうひとつあった。

もちろん中には、これまでの私のように、なんの音沙汰もない友人もいたけど、何らかの嬉しいアクションを起こしてくれた友人たち、それは、ほとんど100%と言っていいくらい既婚者、または結婚経験者ということ。

家族を持つっていうことは、マナーを知るってことなんだ、仕事をしていると社会人としてのキャリアは積めるかもしれないけど、人生経験は不足しちゃうんだ・・・と、なんだかとても感慨深かったのを覚えている。

30代半ばまで独身だった私には、まったく気づかないことだった。

面倒くさいとか、贈り物を送る金銭的な余裕がないとか、そんなことは一切ない。

ただ、何かアクションを起こそうという「気づき」がなかった。

マナーというより、ちょっとした気配りがあれば、義務感からじゃなく、自然な気持ちでお祝いのメールやプレゼントを贈っていただろう。

そんなこともできない、『意思なき無礼者』。

ここまでくると無邪気というより無神経。

数年前の妹の結婚式の招待状に、「出席」に○印をつけただけで何のコメントもないまま返送し、妹から「普通、ひとことくらいコメント書くよね。しかも実の妹の結婚式なのに!」とこっぴどく注意されていた姉。

彼女も、独身キャリアウーマン。

同じだ・・・。

女性として、いや、人として気遣いに欠けてる。

先日、私が幹事をしていた飲み会に、参加予定者から電話で急遽欠席の連絡が入った。

理由は、親族の死。

さぞかし気が動転している中、忘れずに連絡をくれた。

ただそれだけでもすごいことなのに、連絡を受けた私は、咄嗟にお悔やみの言葉も見つからず、ただしどろもどろになって、「そうですか。わかりました」を繰り返すばかり。。。

相手を思い遣る、気の利いた言葉のひとつもいえないなんて。

いかん、これじゃいかん。

そして、もうひとつは、贈り物をいただいたときのマナー。

ちゃんとお礼を伝えたり、お返しの品を贈ったりしてきただろうか。

恐らく完璧にはできていなかったに違いない。

先日、結婚した知人に、有志数名でプレゼントを贈った。

なのに、なんの音沙汰もない。

自分のマナー知らずを棚にあげて、「ひとことぐらい、あってもいいよね」と愚痴った私に、一緒にプレゼントを贈った有志の一人が、「贈り物は、あげたことで満足しなきゃ。反応を期待するもんじゃないよ」と諭された。

それも、確かにそうなのかもしれない。

大人のマナーって、難しい。

転勤シーズン、「餞別あげたのに、挨拶状も送ってこない・・・」と不機嫌な愚痴を聞かされるたびに、ドキッ!!

私、ちゃんと「挨拶状」出して来たよね?!

会社関係の人からいただく礼状の類は、奥様からのものも多い。

つい最近、年に一度、旦那の母親の誕生日には、贈り物をするのがマナーだとも聞かされた。

旦那を支えるためにも、妻としてマナーをわきまえなくちゃと、これまた深く反省。

イギリスは遠いから、ポールの関係者には、かなり大目に見てもらっている。

旦那が、しがらみなき自由人のポールで本当に救われた。。。

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コメント

  1. ははは、確かに未婚者と既婚者では反応が恐ろしく違いますよね(笑)
    私が結婚したときも
    同じ歳でも結婚している人のほうが公的な大人の対応だったな~。。
    年齢じゃなくってしょってる立場がそうさせるのかな・・・
    私は妊娠中なので友人たちに妊娠を報告したときも
    子供がいない人よりも出産経験者のほうがリアクションが温かいですね。。。
    子供がいない人は”生まれて来る赤ちゃんはかわいいでしょうね~”
    という感じで外見の事に触れてさらりとしておしまいだけど
    出産経験者は生まれて来る赤ちゃんの事よりも
    今の私の体や精神状態のことを気遣ってくれて
    自分の経験を踏まえて励ましのメールもくれたりします。。
    そう考えると経験したからこそ言えること、気遣える事があるんですよね。。
    文化の違いでいえば
    日本では友達の家に御呼ばれしたときに美味しいお菓子などを手土産に持っていきますが、オランダではお花やワインなどを持参。
    食べ物を持参すると
    『お前のうちの食べ物はまずくて食えないから自分で持ってきたよ。』、と
    言う意味になるらしいです(笑)
    マナーやマナーの違いって知らないとホント損しますよね。。。

  2. はじめまして{スマイル}
    オージー夫を持ち札幌在住のmiruといいます{ルンルン}
    札幌にも国際結婚したカップルはいないのかなぁ・・・と思っていた矢先、ココにたどり着きました。嬉しくなっちゃいます{ラブラブ}
    また遊びに来ますね。
    よろしくお願いします{キラリ}
    ・・・ちなみに、今日のブログを読んで自分のマナーも考えされられちゃいました。
    友達からの結婚した葉書や赤ちゃんが生まれました葉書にももただ読んで「良かったぁ~」って思ってただけが多かったかなぁ{BOO}
    反省デス。

  3. 私はまだ結婚していないので、そういう事に疎いと思います。
    でも、案外結婚して気づく人も多くて、後に続く人達には
    自分達がしてもらったようにしてくれているのかもしれません。
    な~んて考えが甘いですかね。
    最近歳下の親戚達がどんどん結婚しだして、
    結納のお祝いだの何だの、私は親に言われて
    「え?そんなお祝いもするの?」なんてビックリしています。
    この歳まで結婚せずにいると、知っておかなくてはいけない事を
    知らないようでかなりバツが悪いです。
    どう頑張っても自分が経験していない事のアドバイスはできないけれど、ありきたりの言葉でも一言届けるのは必要かなと
    思います。
    ところで、写真はシュタイフのクマちゃんですか?
    私は子供の頃からぬいぐるみが大好きで、特に好きなのはクマ
    です。なので、シュタイフはいつか手に入れたいです。{ハム}

  4. >Rietjeさん
    何事も、経験してはじめて気づくものですよね。
    私も、自分の結婚以来、対応が変わりましたもん(笑)。
    結婚のお祝いをもらって、慌てて、遅ればせながら出産祝いを贈ったりして、「そんなつもりじゃなかったのに~」と友人からは恐縮されたりしましたが、いや~、本当にあせりました。
    マナーはマナーとして、ちゃんと心得ておかなければ!

  5. >miruさん
    はじめまして{スマイル}
    札幌の方なんですね。
    札幌在住外国人ワールドは狭いので、意外と、ご主人とポールはすでに知り合いだったりして?!
    ポールいわく、最近は、本当に国際結婚する人が増えていて、札幌の場合も、以前は、結婚後、本国に帰国すると言う人が多かったそうですが、最近は、札幌に住み続ける人が多いのだとか。
    ブログ、見つけていただき光栄です。これからも、遊びにきてくださいね{YES}

  6. >Joyceさん
    私も、年下の妹の方が先に結婚したので、結婚式のときには、相手方の親族に、姉としてどう挨拶していいものやら、冷や汗をかきました。
    この手の挨拶は、いまだに苦手ですけど。
    人生に何度もあるわけじゃなし、経験をつむというのも難しいことではありますが、あれこれ考えるんじゃなくて、ただ誠実に自然に対応できればいいんですけどね。
    シュタイフの熊ちゃんに、よくぞ気づいていただけました{笑}
    ドイツに行く前、記念に絶対ひとつは買ってこようと心に決めていたのですが、あまりのお高いお値段にびっくり。
    この熊も写真ではわかりませんが、すご~く小さくって。タバコと並べるとサイズが分かって良かったですね(笑)。
    ようやく買える範囲だったのがこれだけだったんです。
    それにしてもJoyceさん、コメントいただくたびに、「気が合うな~」とつくづく思っていましたが、シュタイフで確信{笑}

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