２０年後の自分

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先日開かれた２０年ぶりの高校同窓会の話の続き。

驚いたのは、同窓生の各方面での活躍ぶり。

医者や弁護士がわんさか。

札幌の高校だったけど、同窓生の多くは現在道外で活躍中。

「えぇ～？！あの人、医者なの～？！弁護士なの～？！」

中には、当時私よりずっと成績が悪かったような人もいて、これには、内心穏やかではいられない。

感動と嫉妬が入り混じった複雑な心境。

でも、私もオトナ。

ここは、オトナらしく、彼らの成功を素直に祝おう、という思いで、顔には出さず、にこやかにお酒を飲みながら、談笑。

宴の中盤、各クラスの代表挨拶。

これがまた、みんなすごい。

「札幌で医者やってます。メタボが心配な人は是非一度来てください！」、

「東京で、Ｍ＆Ａの会社やってます。会社を潰したり、合併したいときは、是非ご相談ください！」、

「大阪で弁護士やってます！」、

「九州で女医やってます！」。。。

極めつけが、欠席者からのメッセージ。

「今日は、残念ながら参加することはできませんが、時差７時間の○○大使館から、会の成功をお祈りしています」。

みんな、すごいよ。

すごすぎるよ。

みんな、偉いよ。

偉すぎるよ。

人の命を預かったり、他人の人生に深く関わったり、日本を代表して仕事をしているなんて・・・。

同い年なのに、やってることがすごいよ。

みんな、あの頃は、ただの『アホ面』の高校生だったのに。

一方の私。

札幌に安住。

唯一の楽しみがバブーの散歩。

海外で活躍したくて、英語とフランス語を必死で勉強したのに。

海外に一歩でも近づきたくて、１年浪人して、親にもさんざん苦労をかけて、東京の大学にまで行ったのに。

今の私＝札幌に出戻り＆仕事は英語要らず。

夢、果たせてないから

法学部を目指して弁護士になった人。

医学部を目指して医者になった人。

外務省を目指して外交官になった人。

自分の夢をちゃんと実現させた人は、本当に本当にすごいと思う。

ある時代、同じ空間を共有していた私たち。

若さに溢れ、夢ばかりを追いかけ、明るい未来を夢見て、前ばかり見て生きていたあの頃。

同じところからスタートして、たくさんの道標の中から、それぞれが自らの力で選び歩んできた道。

２０年後に、こうして再会することがあろうことすら想像していなかった。

一体、４５０人のうち何人の同窓生が、高校生の頃思い描いていた『２０年後の自分』と寸分違わぬ『自分』に、今、なっているのだろう。

想定外の人も、想定内の人も、きっといろいろ。

２０年たって、後ろを振り返る機会を得ることができたのは、私にとって大きな収穫だった。

あの頃の、無邪気な自分を思い出させてくれた。

理想と現実の違いも知らず、英語やフランス語を巧みに操り、海外のビジネスマン相手に堂々と渡り合っている将来の自分の姿を信じて疑わなかった。

そんなことを、ただぼんやり思い出していた。。。

楽しくもあり、刺激的でもあった夜。

日付が変わろうとする頃、なんだかとっても複雑な思いを抱いて帰宅。

ポールの笑顔とバブーの歓迎を受けて、なんだか無償に『ほっ』。

医者にも弁護士にも外交官にもなれなかったけど、今の生活だって、２０年の間に、自分なりに、いろいろなことを乗り越えてやっと手に入れた大切なもの。

大学受験も失敗して１浪。

就職もストレートにはいかず、転職２回。

ポールとも結婚までにはかなりのすったもんだがあった。

順調とはいえないけど、それでも今の、この生活がある。

私には、これで充分過ぎる。

他人と比べて自分はどーだこーだというのは嫌いだけど、これだけ同い年の人が揃うことがなかなかないだけに、いろいろなことを考えさせられた２０年ぶりの同窓会。

それぞれが、あの頃の自分を思い出し、「楽しい」だけじゃない何かを、あの時感じていたに違いない。

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