近所の飲食店で食事をしてからの帰り道、ポールが男物の財布を拾った。
黒い革の財布で、ぎっしり詰まったカードで分厚く膨らみ、ずっしりと重い。
本来ならその足で警察に届けるべきだったと思うのだけれど、夜も遅いし、お酒を飲んでるから車も運転できないので、とりあえずそのまま家に持ち帰り、すぐに警察に電話して、財布を拾ったことを伝えた。
連絡をすれば警察が家まで取りに来てくれるものと思っていたけれど、「時間があるときに届けるように」、と言うのみ。
家から歩いて警察署まで行くとなると結構な距離がある。
日曜日の夕食を終えて、「さぁ、あとは家でゆっくり」という時に、わざわざ歩いて届けに行くのは落とし主には申し訳ないけど、正直腰が重くなる。
「近くの交番の方に家に取りに来てもらうことはできないんですか?」と聞くと、「近くの交番は、今はみんな出ていて、人が出せない」と言う。
今すぐじゃなくてもいいからパトロール中ならなお更立ち寄って欲しいのに、住所や名前さえも聞こうともしない。
お酒が入っていたこともあって、「善意が仇になる」っていうのはこういうこと・・・と思わずイラッ。
我ながら性格悪いなーと思いながらも「じゃあ、もしものすごく忙しくて、届けるのが1週間後になってしまっても、それでも仕方がないということですか?」と聞くと、「まぁ・・・あの、お時間のある時で結構ですので。でも、それが1週間後だと・・・、そうですね、5~20%の謝礼をもらえる権利がなくなりますが・・・」、とまったく埒があかない。
お礼なんてどうでもいいけど、落とした人にとって、財布を受け取るのが1週間後でいいわけがない。
結局、夜道を歩いて届けに行く羽目に。
警察署では、財布を開けて、カード1枚、レシート1枚、財布の中のすべてをひとつひとつ書き出して一緒に確認。
最後に、謝礼など、拾い主としての一切の権利を放棄する書面にサインして一件落着。
警察署にいる間中、こんな面倒なことになるなら、二度とお財布なんて拾いたくないと思っていたけれど、ようやくすべての手続きが終わって外に出たところで、ポールが、「今日は、いいことしたね!」と嬉しそうににっこり。
いろいろ思うことはあるけれど、珍しく(?!)いいことをしたのは間違いない。
ひとつ気になったのは、警察署まで行く途中、落し物の財布を入れたバッグを掛けた私の左肩のあたりがなんだかずっと気味が悪いくらいゾクゾク、ザワザワしていたこと。
霊感が特に強いわけじゃないけれど、なんとなく嫌な予感。
落とした人が事件とか事故に巻き込まれてなければいいけど・・・。
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