『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』を観た。
英国史上初、唯一の女性首相、マーガレット・サッチャーの偉大さもさることながら、演じたメリル・ストリープがとにかく素晴らしく、すべてに感動、見ごたえのある人間ドラマだった。
父親の影響で政治家を志すようになったマーガレット。
「料理や育児や掃除だけじゃなく、人生にはもっと大切なことがある。私は食器を洗って一生を送りたくない」、ときっぱり。
男社会の中で、女性差別と階級差別にもまったく屈することなく、信念を貫き通す姿は、まさに「鉄の女」。
その強さゆえ、次第に周囲から反感を買うようになり引退に追い込まれるまでの11年間、強烈なリーダーシップを発揮し君臨し続けた。
そんな彼女を理解し、支え続けた夫デニスがまた素晴らしい。
あの時代に、家庭より仕事を優先する妻を支えてきた、大らかでユーモア溢れる奇跡の夫。
そんな素晴らしき夫デニスは数年前に他界し、現在86歳になるサッチャー元首相は認知症を患い、表舞台からは姿を消している。
映画冒頭のシーンは、サッチャー元首相の年老いた姿。
足取りも覚束ず、その姿は、とても弱々しく、痛々しい。
かつて「鉄の女」と呼ばれ、英国の運命を握っていた人物とは思えない今の姿がある。
夫が他界したことさえわからなくなったサッチャー元首相が、夫に今問いかけるのは、「教えて。あなたは幸せだった?」。
その言葉は、もはや自分がどんな偉業を成し遂げてきたかさえわからなくなった元首相自身への問いかけのように聞こえる。
どんな偉業を成し遂げた人にも「老い」は等しく訪れる。
そのことがとても重く心に響く。
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