気まずい時間

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ゴールデン・ウィーク真っ只中だから、今日は通勤客もいつもより少ないだろうな~と思いながら乗り込んだ朝の地下鉄。

案の定、空席がチラホラ。

やった!席が空いてる!と思って喜び勇んで乗った車両には、職場の上司の姿。

別に苦手・・・とかそういうわけではないけれど、朝から隣に座って一緒に通勤するのは相手も辛かろうと慮って、気付かれないようにそっと別の車両に移ったところ、ラッキーなことに、ひとつだけ空席が!

やった!と思って空席めがけて突進すると、その横に座っていたのは、前の職場の元上司。

こちらの元上司も、嫌い、とか苦手・・・とかそういうわけではないけれど、上司と部下の関係じゃなくなってから何年も経ってるし、気分的に朝から一緒は少々辛い。

とはいえ、ばっちり目が合ってしまい、もはや露骨には避けられず、「隣、いいですか」と断って着席。

なんともいえない気まずい時間。。。

沈黙を埋めるために、元上司が、「お元気ですか?」と井上陽水ばりの上ずった声で無理やり会話を始めてくれたのはいいものの、共通の話題がなさ過ぎるため、たまらずお子さんの話で時間をつなぎ、それでもつなぎきれず、「歳を取ってくると問題なのは、子供より、妻との関係だよね」という話に。

「最期はひとりで孤独死すると思えば、すべてを受け入れる気持ちになったよ」と、聞いてもいないのに辛い身の上話。

いくら気まずいとはいえ、さすがに朝イチでその話はないよな~、と思っていたころで、降車駅に到着。

この会話の流れから、さすがにその先も会社まで一緒に行くのは辛すぎる・・・、とお互い思ったのは明らかで、私はこっちから、私はこっちへ、と左右に分かれて別々の出口から同じ職場へ。

オトナの気配り。

オトナの気遣い。

その間わずか数分だったはずなのだけれど、とてつもなく長く感じられた、なんとも言えない気まずい時間。

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