私は思ったことをすぐに口にする方だ。
昔から、良い事も、悪いことも。
お世辞は言えないけど、本当に「いい」と思ったら、本人が嫌がるくらい褒めまくる。
だけど、さすがに悪いことは、年齢とともに少しずつ言わなくなってきた。
数々の失敗を繰り返し、反省、学習した。
でも、人生長くなればなるほど、世の中には、たくさんの「おかしい」と思うことがあることもわかってきた。
プライベートでも仕事上でも。
波風を立てるのはよくないと、言いたいのを我慢して黙ってやり過ごせば、多分うまく回る。
・・・だけど、どうしても黙っていられない場面、というのにも度々出くわす。
本当は気が小さいくせに、事と次第によっては大胆で、それ故かなり痛い目にあってきた。
関係が疎遠になった友人もいるし、上司に何週間も口をきいてもらえなくなったこともある。
でも、自分の中で、たとえ関係が壊れたとしても、言わないで我慢しているよりはマシだと確信している。
そんな時、たまたま参加したあるセミナーで、アメリカの「リリー・レッドベター平等賃金法」の話を知った。
詳細については、「朝日グローブ」に詳しい。
リリー・レッドベターさんというのは、アメリカのタイヤ製造で有名な大企業・グッドイヤー社の工場で19年間働いていた名もない女性。
数少ない女性の現場監督になり、午後7時から午前7時の夜勤を週5日、子供の学費を支払うために、家族のために働き続けてきた。
そんな彼女が、ある日、同じ仕事をしている男性社員との賃金の差を知ることになる。
19年間の差の積み重ねは相当な金額で、退職金、年金も考えると、いったいどれだけの差があるのかと、退職後、「差別」で会社を訴えた。
だけど、その訴えは、「差別が起こってから180日以内に提訴しなければならない」との理由で、遅すぎると退けられてしまう。
うちのめされた彼女に希望を持たせたのは、その時の唯一の女性判事の反対意見。
「賃金差別を180日以内に知ることは難しい。差別は長年の蓄積で現れることもある」と、多数意見を痛烈に批判した。
これによりルール修正の動きが加速し、その結果、「リリー・レッドベター平等賃金法」という法律が生まれた。
ただし、残念なことに、声を上げたリリーさん自身はこの法律の救済対象にはならなかった。
「人が試されるのは、おかしいと思ったことにどう対処するか。一人ひとりが声を上げることで、将来はより良いものになっていくと、信じています」、という彼女の言葉が重い。
「おかしい」と思うことに声を上げるのは、自分のためだけじゃなない。
後に続く人たち、周囲の人たちのためになり、そして、将来の変化へとつがなることがある。
「声を上げる勇気」を持って、結果はどうであれ、「何も意見を持たない」、あるいは、「言わない」、無関心な人間にだけはなりたくないと思う。
現在76歳のリリーさん。
全米を講演で駆け巡る彼女の自叙伝が出ているという。
読みたい本はたくさんあるけれど、今すぐにでも読みたい本、No1。
読んでいただけたら、
↓
人気ブログランキングのクリックをポチッとしていただけると嬉しいです。
ついでに、わんこ好きの方は、
↓
にほんブログ村ウエスティのクリックもポチッと!
コメント