今日の北海道新聞夕刊、「札幌中心部ビル火災 地下歩道に煙 2人搬送」、の記事。
「10日午後0時40分ごろ、札幌市中央区北1西4、複合ビル「札幌ノースプラザ」の地下1階にある飲食店「相撲茶屋 恵大苑(けいだいえん)」の調理場から出火、ダクトなどを焼いた。20~50代の女性2人が煙を吸って病院に搬送された」。
今日、まさにこのとき、同僚3人と一緒にランチをしていて、まさに出火元となったお店にいた。
火元となった「相撲茶屋 恵大苑」は、職場からも近く、ボリュームたっぷりで、数年前から週に1度は必ず同僚たちとランチに行っている馴染みのお店。
今日は、Mさん、Tちゃん、私の3人で先にお店に着いて、3人とも同じ「味噌野菜ラーメン」をオーダー。
遅れてSさんが到着して、4人で楽しく歓談しながらランチ。
Sさんのオーダーは、ポークステーキとラーメンのセット。
先にオーダーした私たち3人の分が出てきて完食した頃になっても、Sさんの分がまだ来ない。
その頃から、天井に白い煙がモクモクと・・・。
まさか厨房が火事になってるとは思ってもいなかった私たちは、お店の人に声を掛けて、「オーダーがまだ来てないんですけど、まだ時間かかりますか?」と聞くと、「次なんですけど、ちょっと今、出せる状態じゃなくて」と店員さん。
そして、さらに白い煙がモクモクと・・・。
最初は、「何か燃やしちゃったんじゃない?!これって、食べ物が焦げてる匂いじゃないよね、プラスティックとか何か違うものが燃えてる感じだね~」、なんてのん気に構えていた私たちも、だんだん、この煙の異常な勢いに気づきはじめた。
・・・と同時に、スタッフさんが、来店して席に着いたばかりの新客に、「すみません。今、厨房が料理を出せる状態じゃなくて」と、オーダーを断り、そのまま帰し始めた。
もう何年もこのお店に通っているけれど、こんなことは初めて。
しぶしぶ席を立ち上がり帰り始めた客を見ながら、周囲の人たちも、尋常じゃない煙の広がりかたに、「ねぇ、この煙、大丈夫?!」と言い始め、口を覆い始めた。
食事を待ってたSさんも「この煙を吸い続けたら体に悪そうだから、もうお店出ましょう」と言い、私も同時に、「変だよ、この煙、早く外に出よう」と促して、早く清算を済ませて帰ろうと伝票を持ち、みんなで立ち上がった。
私たちが座っていた店の奥のテーブル付近はその時まだそうでもなかったけれど、入り口付近のレジに向うと、あたりが煙で真っ白でほとんど何も見えない状態。
周囲の人たちも煙を吸って激しく咳き込み始めた。
とても会計をしているような状態ではなく、生まれて初めて無銭飲食を決意。
後でお店に戻って払おうと、伝票を持ったまま急いで地上へ。
地上に向かう階段にいたのは、Sさん、Tちゃん、私の3人。
一緒にいたMさんの姿がない。
「Mさ~ん」と煙に向って呼んだけれど、返事もない。
他の出口から地上へ上がっているかもしれないと、煙の中に戻って探すことを諦めて地上へ。
外に出ると、辺りは騒然。
救急車と消防車が次々と到着。
「大変だ・・・」、と思ってただ呆然と火災が起きたお店が入っているビルの前で佇んでいると、別の出口からMさんが無事帰還。
良かった~。
遅れたわけを聞くと、足が痺れて立ち上がる時にもたついて、店を出るのが遅れたところ、店員さん2人が煙を吸って酷く咳込んでいて座り込んで歩けない状態だったので、煙がないところまで抱きかかえて連れて行って介抱していた」とのこと。
なんともMさんらしい。
映画やテレビドラマでは、火事のシーンをいろいろ見たことがあるけれど、自分がその場にいたのは初めてで、煙が回る速さは恐怖以外の何ものでもなく、初めて身の危険を感じた恐怖体験。
火災のとき、本当に怖いのは煙で、火災で犠牲になった人のほとんどが煙によるものと聞く。
今回の火事は、調理場から出火して、ダクトなどを焼いたそうだけれど、お店の人たちも、最初は自力で火を消し止められると思って甘く見ていたのか、平静を装っていて、まったく客を避難させようとはしていなかった。
客はほとんど、店員さんに促される前に、煙の異常さに気づいて自発的に逃げ出していた。
煙に気づいて駆けつけたビルの警備員に、お店の人が消防車を呼ぶように頼んだのはその後だったと聞く。
2人が病院に搬送されたものの命に別状はなく、死者も出なかったのは幸いで、逃げ出すタイミング、一瞬の判断が重要だとつくづく思わされた。
店員さんを信じて、黙って座って食事が出てくるのを待っている間に、もし厨房から炎が一気に噴き出してきていたら・・・、そう思うとゾッとする。
頼るべきは一瞬の「自分の判断」。
「おかしい」と思ったら、逃げる。
津波の時に、多くの命を救った「津波てんでんこ」の教えを思い出す。
煙が充満して視界不良の中を歩いていた時、恐怖で足がすくんだ。
死者が出ていないからいいものの、今回の火事で死者が出ていたりしたら、一生のトラウマになる。
あんな経験はもう2度としたくない。
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