2月10日に札幌中心部で起きた火災。
雪祭り最中の札幌で、札幌駅から大通駅までの地下歩行空間(チカホ)が開通以来はじめて閉鎖される大きな騒ぎになったけれど、ちょうど火元の飲食店「相撲茶屋」にいた私たちは、それぞれがなんとも言えない複雑な気持ちでニュースを見守っていた。
北海道新聞の翌日朝刊の続報によると、「相撲茶屋は出火当時、営業中で、札幌中央署などによると、経営者の男性(51)は「鉄板をガスこんろで温めていたところ、種火が壁に燃え移った。消火器で消し止めたが、換気扇を回したら、再び出火したので119番通報した」と説明しているといい、同署が出火原因を調べている」。
大騒ぎにはなったものの、その日の午後2時過ぎには「チカホ」の閉鎖が解除されて、対応は適切で早く、札幌の消防の力を大いに証明。
「地下で火事がおきれば煙突効果で広範囲に影響が及ぶ」ということが認識されたことは、むしろ観光都市・札幌にとって教訓として生きる・・・、と今思えるのは、死者や重傷者がひとりも出なかったから。
でも、私たちの、火元に居合わせた人間の気持ちはちょっと違う。
正直、相当なショックでトラウマになっている。
のんびり食事をしていた、まさにあの時に、すぐそばの厨房で出火していたのだ。
私は、とにかく怖かった。
思い出したのは、ずっと昔に見た映画「バックドラフト」、火災現場で起きる爆発現象。
ランチメニューのラインナップが好きで何年も通ってるお店だけれど、床は脂で滑るし、壁際にごちゃごちゃいろんなものが雑然と置かれていて、お世辞にも店内はキレイとはいえないから、どこかに引火して燃え広がったりしても不思議じゃない。
40~50人くらいは入れるお座敷で、いつも混んでいる。
客は靴を脱いで座敷に上がり、帰りに靴がどこに行ったかわからなくなることもたびたびで、お店の通路は普段だって人がすれ違えないほど狭い。
そんなお店で、厨房から火が噴き出していたら・・・。
パニックできっと大変なことになっていた。
Mさんの思いはまた違ってた。
足が痺れてもたついて、逃げ遅れたMさんは、咳き込んで動けなくなっていたお店の人たちを煙のないところまで連れて行って、無事を確認してから自分は地上に出たわけだけれど、「病院に搬送された2人」が彼女たちだったのではないかと、ずっと心配していた。
Tちゃんの思いはまた違ってた。
煙に気づいていたのに、どうして、いち早く火災報知機を鳴らしてあげなかったんだろう。
自分だけが逃げるんじゃなくて、周囲の客はもちろん、周囲の飲食店にも声をかけてあげれば良かった。
火元の現場にいた自分は、様子が誰よりも早くわかっていたからこそ、もっといろんなことが出来たはず。
、といろんな思いが交錯して逡巡。
今日のランチは、その場に居合わせた3人が集まって反省会。
煙がもくもくと漂い始めた店内の、現場写真や動画を即座に撮ることも、店内にいた私たちには出来たわけで、撮っていれば、その後の警察や消防の検証に役に立ったかも。
そんなことをいろいろ話していたけれど、その時は逃げることに必死。
一緒に逃げたはずなのに姿の見えないMさんにすぐに電話しようとしたけれど、焦れば焦るほど、スマホの画面に並ぶ関係ないアプリに指がすべってタッチして起動させてしまったりして、電話帳が開けないし、ラインも探せない。
焦りで冷静さを失うと、完全に無力。
自分たちの無力さがわかったことが今回の反省点。
次回は今回の反省をもとに、もっと機動的に、「Mさん、すぐ動画撮って!」、「Tちゃん、すぐ消防に連絡!」、「私とSさんは周囲の人たちを避難させるから!」、って役割分担できるかも。
・・・なんて、反省会はしたけれど、次回があること自体、一生「想定」したくない。
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コメント
私も先日火事を発見しました。灯油かぶっての自殺で…通報や消火活動…本当に大変でした。お気持ちわかります。
できることをするしかないんですよね。そのときによって状況は違うと思いますし…
おじゃまします。緊急で大変な時ほど落ち着けと言い聞かせても焦る気持ちってありますよね。
火災現場に遭遇したことはありませんが、車のタイヤ交換をしていたら目の前の交差点で事故があり 車が大きく回転したことがありました。
眺めていると不思議なことにスローモーションなんですね。咄嗟に「旦那!救急車に電話して! 私は警察!」と二人で携帯を手にしました
我等ガラケー族なので、手元は狂わず 連絡できましたが
スマホは 地図検索したい時に便利だなぁ~と思っています
それかカーナビ、どちらかが欲しい 今日このごろです
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