「女性活躍推進法」がついに昨日、可決、成立した。
前回、廃案になってから、ずっと気になっていたこの法案。
従業員が301人以上の企業は、「どのくらい女性管理職を登用するか」などの数値目標を設定し、公表しなければならなくなる。
男女雇用機会均等法から30年。
日本企業の職場環境は、この法案で変わっていくのだろうか?
先日も書いた、「英国ニュース」サイトの先月の記事で興味深いものがあった。
イギリスの「フィナンシャル・タイムズ」紙の電子版が、「女性が働きやすい環境を整えるために、日本社会全体の変革が求められている」とする見方を伝える記事を掲載したとの内容。
同記事はまず、「日本ではアニメなどのキャラクターの顔を再現したお弁当を意味する『キャラ弁」』が流行していると紹介。このキャラ弁をいかに上手くつくるかという競争が行われることによって、『専業主婦の家庭に生まれた子供が、不平等が慣行化されている職場でみじめにも苦闘せざるを得ないことがある働く女性の子供を見下すことになりかねないと一部で指摘されている」と説明していた。
一度読んで意味がわからなかった。
もう一度読んでやっとわかった。
要は、手の込んだ「キャラ弁」は専業主婦だからできることで、働く女性の子供は普通のお弁当しか持って行けないから、そこで、弁当格差が生まれるということか。
我が家には子供がいないから、すぐには理解できなかったけれど、なるほど、それは辛い。
その記事には続けて、「女性の雇用機会を増やすためには、日本の労働環境を変える必要があるとする見方を紹介。日本の労働時間は長く、効率性においては先進国で最低レベルであると述べている」とあった。
どんなに恵まれた育児や介護の制度があろうと、職場で言い出せない、使いにくい、というのが日本の職場環境の現実。
「ワーク・ライフ・バランス」が言われるようになって久しいけれど、いまだに、まったく浸透していない。
同じくイギリスの「エコノミスト」誌でも、以前、「他国と比較した場合に、日本人女性が学業においては高い成績を残しているにも関わらず、労働力に占める割合としては圧倒的に少ない、とし、見えないが確実に存在する障壁を意味する用語である「ガラスの天井」にかけて、目にはっきりと見える障害である「竹の天井」が存在すると紹介」していた。
「仕事の生産性や実績よりも在職期間や残業が評価される評価制度や、男性が子育てや家事に割く時間が少ないことなどが、働く女性の障害になっている」と論じている。
さらに、その記事の中では、「日本経済団体連合会(経団連)が、女性の社会的地位の向上を目指す動きに対して消極的な姿勢を見せていると指摘。~(中略)~、経営陣に属する女性の数を申告するよう各企業に求めることさえ拒否したため、日本の官僚は関連書類に記載されている「子」の文字を調べることでこの数を把握しようとしたとも報じている」とあった。
これが1年前の記事で、おそらく、まだまだそんな状態なのだ。
「不平等が慣行化されている職場でみじめにも苦闘せざるを得ないことがある働く女性」は、この法案で救われるのだろうか?
一方で、最近は、いまや高嶺の花となった「専業主婦」を目指している女性も多く、この法案の成立を歓迎できない女性も多いと思う。
今まさに過渡期を、「働く女性」として生きている。
女性活躍推進法は、これまでのような、いわゆる「女性の『オッサン』」を増やすことが目的ではないはず。
今までは、「男の世界に合わせることができる女性」しか、企業の中での平等は得ることができなかった。
だから、まじめに働く女性ほど、見た目は女性だけれど、思考も視点も「男性」にならざるを得なかった。
でも、そういう女性でさえ、「竹の天井」に阻まれてきたのが実態だ。
企業も女性も本気度が問われる、これからの働き方。
10年後、20年後、どんな気持ちで、この日のことを振り返ることになるんだろうと思うと非常に興味深い。
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