ここ数年、どこに行っても札幌は、いや多分、北海道は、いやもっといえば、日本中がアジアを中心とする外国人観光客でいっぱいになっているのではなかろうか。
つい先日、札幌で大人気のお蕎麦屋さんでランチをしていると、お隣に東南アジア系の若者4人のグループがいた。
店員さんが、「どちらからですか?」と聞くと、「ベトナムから旅行で来た大学生です」と答えていて驚いた。
さらに、つい先日も、東南アジア系の若い女性に地下鉄の切符の買い方を聞かれ、買い方を教えながら「どちらからですか?」と聞くと、「マレーシア」とのことだった。
東京出張に行った知人女性は、帰りに乗った羽田⇒千歳行きの飛行機で周囲の乗客がほぼ全員インド人で驚いたと言っていた。
観光立国実現を目指す日本としては喜ばしいことだけれど、何かが違う・・・、と思うのは私だけだろうか。
中国の「富裕層」が多い、というのはわかる。
だけど、ベトナム、マレーシア、インド・・・という国々は、かつて私が学生~社会人になりたての頃、日本の貧乏学生(失礼!)がバックパッカーとして自分探しの旅に出る定番の国々だった。
ある程度のお金と体力・気力があれば、学生レベルでも割と長期の滞在が充分に楽しめる、物価の安い国。
もしかして、今、逆になってないか?!
実は一昨年の年末にニュージーランドに行った時に思った。
スーパーに行っても、レストランに行っても、明らかに「日本の方が安い」。
日本は物価の高い国だと思い込んでいたけれど、もはやそうじゃない。
たとえばイギリスの経済専門紙「エコノミスト」が提唱している、世界中で販売されているマクドナルドのビッグマックの価格を比較して、その国の経済力を測るという『ビッグマック指数』というのがあるけれど、2015年に発表された『ビッグマック指数』では、日本が$3.14なのに対してニュージーランドは$4.49。
やっぱり日本の方が安い。
世界で最も普及している嗜好品のビールの価格、「ビールの値段ランキング」各国比較(ドイツ銀行調べ)で見てみると、
1位:フランス・パリ $7.60
8位:ニュージーランド・オークランド $6.02
11位:マレーシア・クアラルンプール $5.92
18位:中国・上海 $5.06
19位:日本・東京 $4.30
ニュージーランドやマレーシアの人にしてみたら、日本のビールって「安っ!」ってことになる。
なぜ、これほどまでに外国人旅行者が増えたのか?と思っていたけれど、その一番の要因は、日本の物価が安いこと、モノも食べ物も交通機関もとにかく安い、物価が安い、このことに尽きるのだと思う。
日本に住んでいる外国人留学生が、自分が住んでいるアパートの家賃やら光熱費やら携帯の料金なんかも含めて、日本の物価をいろいろ紹介しているYou Tubeの動画でも、コメント欄は、各国からの、「マジ?!日本ってそんなに物価安いの?」、「日本の物価、安過ぎ!」という驚きの反応で溢れていた。
私のように、1980年代の勢いを知ってる世代は、いまなお日本を経済大国だと思いこんでいる、いや、そう思い込みたいフシがあるけれど、すでにそうではなくなっているという現実。
確かに考えてみれば、この20年、家賃をはじめ、ものの値段はそう大きく変わってない、というより、中には安くなっているものもある。
これは日本経済が安定しているというより、むしろ停滞しているということに他ならない。
日本が、この20年の間に、東南アジアの学生さんたちが気軽に旅行できる国になったという現実を喜ぶべきことなのかどうか、経済に明るくない私なりに考えてみても思いは複雑。
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