素材だけじゃ、もったいない

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今回のニュージーランドからの友人たちとの旅行中、行く先々で英語の表記を探した。

私が常に的確に、英語で友人たちに説明できればいいけれど、日本語で説明してもおぼつかない内容を、拙い英語で説明したところで彼らに苦痛を強いるだけ。

なので、少なくとも観光スポットには、完璧な英語の説明があることを期待していた。

そういう意味で、今回、定山渓で滞在したホテルはサービスの質で有名だっただけにとっても残念だった。

実際に2日間宿泊してみて気づいたのは、日本人より外国人の方が多いこと。

聞こえてくるのは外国語ばかり。

なのに、朝食のビュッフェ会場は、メニューは日本語のみの表示で、ビュッフェに並ぶ食事の内容について、英語をはじめ中国語や韓国語、他言語での説明は一切なかった。

たとえば、お粥、アラ汁、鮭、塩辛、納豆、海苔などなど、よくある定番朝食メニューはもちろん、コーヒー・紅茶でさえ、日本語表示のみで、友人たちは、これ、どっちがコーヒーなの?と私に聞いてきた。

ジュースもオレンジジュースやマンゴージュースがあったけど、友人たちにしてみたら、分かるのは色だけだから、それが、オレンジなのかマンゴーなのかキャロットなのか、まったくわからない。

慌ただしく混雑している朝食ビュッフェ会場で、私がみんなを集めて一品一品説明できるはずもなく、友人たちもそれはわかっているから遠慮して私に聞いてくることもなく、結局、自分で選んで取ってきて、飲んで食べてみて、はじめて内容物を判断するしかないという事態。

そのわかりやすい例が、並んでいた食材から「卵」を選んで取ってきたキャロル。

殻をむこうとした瞬間、ドロッと中の卵が出てきて、「えっ!この卵、ゆでてない!」ってびっくり。

その時初めて、日本では生卵をご飯にかけて食べる習慣があるからと説明したけれど、生の卵がホテルの朝食で提供されるなんてありえない国に住んでるニュージーランドの人にしてみたら驚き。

ニュージーランドのみならず、「外国人が驚く日本食第1位は生卵」なのだそう。

ヨーロッパをはじめ多くの国々では「生卵」を食べる習慣がないだけじゃなく、ポールに聞いたところ、EUでは飲食店で生卵を出すこと自体が法律で禁止されている、とのこと。

しかも、同じホテルに連泊した翌朝、私が説明したとおり、キャロルは果敢にも今度は日本人が好む「卵かけごはん」にチャレンジ。

なのに、その日の朝食で取ってきた卵は、「温泉たまご」で半熟。

「あれっ?!今日の卵はゆでられてる」。

生たまごなのか、ゆでたまごなのか、英語で書いてくれたら、戸惑わずに済んだのに。

温泉もそう。

源泉かけ流しの素晴らしい温泉なのに、その説明は日本語だけ。

別棟にある「露天風呂」も日本語表示だけで、日本語が読めなかったら、その場所に行って楽しむことさえできない。

日本語のわからない海外からの観光客に、どうやって、このホテルの「露天風呂」のすばらしさを味わってもらえるのだろう。

露天風呂の良さを一度味わったら、きっとリピーターだって増えるはず。

「男湯」と「女湯」だってそう。

「男」と「女」の漢字を覚えてもらうことからスタートしたけれど、時に日本では男女を、「殿」、「姫」などと表示することもあるから、「男」と「女」だけ覚えればいいわけじゃない。

お風呂の清掃のあとには、男湯と女湯が入れ替わる旅館やホテルも多い。

そんな中で、日本語がわからない海外からの観光客が自分たちだけで、ゆったりと温泉を楽しむことができるのだろうか。

できるはずがない。

日本らしさがウリなだけに、あらゆるところに英語があると、それはそれで「興ざめ」かもしれない。

和風旅館ゆえ、英語を使わないことが「こだわり」なのかもしれない。

でも、せめて食事やお風呂・・・、最低限の英語表示や説明書きがあると、宿泊者は本当に安心して楽しめると思う。

たとえば、靴屋さんもそう。

真夏のニュージーランドから来た彼らが、真っ先に札幌で買いたいと思ったのは、氷の上でも滑らない冬靴。

雪まつりを観光しようにも、靴が滑ってちゃんと歩けない。

買う気満々で靴屋さんへ。

そこで困ったのはサイズ表記。

日本ではセンチメートルだけど、ニュージーランド、アメリカ、イギリス、中国、タイ、マレーシア、靴のサイズ表記はそれぞれ違う。

自分でネットで調べれば済む話だから、靴屋さんの店員の方に英語を話すことまでは求めないけれど、たとえば壁に、各国の靴サイズ換算表さえ大きく掲示していてくれれば、どれだけ助かったことか。

客も助かるし、サイズ調整のために何度も靴を出したりしまったするスタッフさんの手間だって、大いに省けるはず。

そうすることで、暖かい国からきた観光客が、たとえ店員さんとまったくコミュニケーションを取れなくても、簡単に冬靴を買うことができて、お店の売り上げにもつながるのに。

本当かどうかは定かじゃないけれど、北海道観光産業の現状として、「自然一流、施設二流、料理三流、サービス四流、関係者意識五流」という言葉があるらしい。

せっかく「もの」がいいのに、それを活かす努力、売り込む努力が足りないことで、素材の良さをまったく活かしきれてないのは本当に残念。

実にもったいない。

日本国内だけに目を向けていると、あらゆるビジネスはどんどん縮小に向かうだけ。

外に目を向けて、ちょっとしたサービスの工夫をすることが、大きなビジネスチャンスにつながることを、今回、外国人の友人たちと行動をともにしていてつくづく感じた。

国内にしか目を向けられない産業がある一方で、ひとたび海外に目を向ければ、飛躍的に伸びる産業もある。

客層に合わせた工夫ができるなら、しないよりした方がいい。

それをしなければ、海外からの観光客はより快適さを求めて、コミュニケーションの取れない日本の施設に頼るのをやめて、自分たちの国の言葉を使い、文化に合わせたホテルや旅館、飲食店や施設を自分たちの手で作ろうと考えることになる。。。

良し悪しは別として、その顕著な例がニセコなのだと思う。

いまや「日本」らしさはなくなり、日本人の方が戸惑うような英語だらけの街へと変貌を遂げた。

海外のスノーボーダー・スキーヤーに人気と言われて久しいけれど、彼らがニセコに注目したのは「最高の雪質」があるから。

海外からの旅行客のほとんどは、最高のパウダースノーでスノーボートやスキーを楽しむのが目的で来ているのであって、日本の文化を楽しむのが目的じゃない。

北海道は、食も景色もアクティビティも、様々な商品も、海外からの観光客に好まれる素晴らしい素材を、せっかくたくさん持ってるのに、自分たちの力で活かしきれてないのは本当にもったいない。

工夫や努力を怠っていると、どんどんその「宝」を海外資本に奪われたり、ビジネスチャンスを失ってしまいそうな危機感を覚えた。

数年前まで、北海道は、いや日本は、観光客の減少で、多くのホテルや施設で閑古鳥が鳴いていた。

それが今や、海外からの観光客で溢れている。

多くの観光地は、今まさに、海外からの観光客の「おもてなし」について、本気度が問われている。

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コメント

  1. 外国人の方が多いというのはびっくりですね。
    日本も変わったものです。
    応援しておきました。ポチッ

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