先日、10年近く前に会社を辞めた女性の先輩とお会いした。
当時、40代中ば。
雇用機会均等法・第1世代の女性。
雇用機会均等法ができてから30年。
育児と仕事の両立は、今も困難を極める中、いち早く育児と仕事を両立させていた。
女性社員の精神的支柱だったその先輩の名前が、人事異動の退職者の欄に出ていた時は、誰もが目を疑った。
本当に突然のことだった。
「どうして?」。
「辞めちゃうの?」。
「残された私たちはこれからどうやって働いていけばいいの?」。
仕事もバリバリこなしていて、性格も穏やかで優しく、助けられていた社員はたくさんいた。
後輩のひとりは、ショックでポロポロ泣き出した。
それくらい、衝撃の大きいものだった。
先輩が20年働き続けた会社の退職を決意したのには、相当な理由があったのだと思う。
その当時の思い、退職した理由を聞いたところ、
「とても一言では言い表すことはできないけれど、一番大きかったのは、『自分はもう必要とされていないんだな』、と感じたから」、とのことだった。
ある調査によると、均等法第1世代の6割は退職。
「勤務先での将来展望が描けずに退職を選んだ人が多数派」だったのだそうだ。
「配属や仕事の与えられ方など育成プロセスが男性と違うので社歴が長くなるほど組織内の処遇は男女差が開く。それがやる気を失わせ、退職の引き金になっている」、と分析されたいた。
そんな中で、今も働き続け、着実にキャリアを積んだ少数派を見てみると、「いずれも子どもはなく、聞き取り調査に『男性の3倍働いてきた』と口をそろえた」、のだという。
女性の輝かしい未来が約束されたかに思えた「男女雇用機会均等法」だったけれど、あれから30年、「『均等』とは名ばかりで、今も多くの女性にとって会社勤務は茨の道。
それを思うと、枕詞のように「女性初」、「唯一の女性」と言われ続けてきた第一世代のプレッシャー、苦悩は、相当なものだったと思う。
その先輩は、退職後に資格を取得して独立開業。
今は、まったく別の分野で仕事を続けている。
改めて「凄さ」、「逞しさ」を思い知らされるとともに、そんな先輩が今も会社にいて、後輩を叱咤激励してくれていたらどんなに良かったか・・・。
本当に今も残念でならない。
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コメント
私も第一世代ですよ。
男のように仕事をして、女のようにふるまって、犬のように働けの世界だったように思います。