人に仕事がつくのが日本企業、仕事に人がつくのが欧米企業、と言われる。
欧米企業では、仕事に必要な能力を持った人材を内外から調達してくるのが普通であって、日本企業のような一括採用も頻繁な異動も育成目的の登用もないのだそうだ。
一方、いまだに多くの日本企業では、新卒を一括採用で毎年補充し、頻繁な異動でさまざまな仕事を経験させて育成を促すのが一般的。
これについては最近、弊害も数多く指摘されているけれど、長い時間をかけて根付いた文化が、そう簡単に変わることはあるまい。
そこで重要になってくるのが、仕事の引継ぎ。
毎年、人事異動の季節になると、多くの人が異動し、担当業務が変わる。
私自身もこれまで、何度も業務を引継ぎ、引き継がれ、を繰り返して来た。
その「引き継ぎ」の時に、「引き継ぐ」側が一番必要とされる能力、心がけるべきことは、断然「素直さ」だと思う。
まずは、「言われたことを、言われたとおりにやってみる」ということがすぐにできるかどうか。
初めて与えられた未経験の仕事をすぐにできる人などいないわけで、最初は疑問だらけ。
ミスをしないように、言われた通りに作業としてこなすのが精一杯。
「わからないことがあればなんでも質問してください」、と前任の担当者から笑顔で言われたところで、「わからないことがわからない」状態なのが普通。
だから、最初はとにかく何も考えず、言われたとおりにやってみるのが大事。
「教えてもらったこと」を素直にやってみることもせずに、最初から「自分独自のやり方」を生み出そうとしたり、「こっちの方が効率的」などと前任の担当者に即座に訴えるのは傲慢。
これをされると、訴えている方は真剣でも、前任者は完全に冷める。
新しい視点が大切なことも中にはあるけれど、多くの仕事は、これまでの「先人の知恵」、「現場の知恵」が蓄積されたものであることは言うまでもない。
だから、まずはその「知恵」を尊重すべきなのであって、自分のやり方は、あとでゆっくり独り立ちしてから模索すればいい。
最初から別のやり方で仕事をしようとしたり、仕事そのものに疑問を唱えたりするのは、間違ったプライド、自己愛以外の何物でもないと思う。
前の職場では一番古株だったり、以前の担当業務では誰よりも知識や経験が豊富で中心的存在だったとしても、新しい職場に来たり、新しい業務の担当になったら、その瞬間から一年生、また振り出しに戻る。
そのみじめさは半端じゃない。
20代ならともかく、それが30代、40代になろうものなら、そのみじめさは数倍になって襲い掛かる。
だけど、その「居心地の悪さ」をいったん脇に置いておいて、新たな仕事に「素直さ」を持って、愚直に取り組むことができるかどうかが、その後の仕事に大きく影響してくるのではないかと思う。
これまでの自分自身を振り返り、反省と自戒を込めて。
春なので、たまには真面目に仕事の考察。
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