EU絡みでイギリスのネタをもうひとつ。
先日、BBCで放送していたドキュメンタリーがとっても興味深かった。
イギリスの学校での中国式教育実験。
5人の中国人教師がイギリスのトップクラスの中学校で50人の学生を対象に「中国式教育」の実験を行う様子をドキュメンタリーで描いたもの。
実験期間は1ヵ月。
「中国の質の高い基礎教育法がイギリスの学生にも適用するかどうか」を見るのが目的だ。
中国式教育とは、教師に絶対服従で、受け身の授業、詰め込み式。
この教育に、イギリスの生徒たちは猛反発。
電気ポットを持ち込んで紅茶を飲みながら授業を受けようとしたり、ふざけたり、おやつを食べたり、おしゃべりしたり、メイクをしたりと、とにかくひどい。
教師の話を真剣に聞いている生徒はほとんどいない。
まさに、「学級崩壊」。
教師も感情を爆発させて声を荒らげ、生徒がいない場所では涙を見せて「中国式教育」の正しさを訴える。
だけど、教師たちの努力にもかかわらず、見学に来た校長や教頭までが、「これはひどい」、「だまって聞いているだけの授業で、自分でも授業中に頭を机に打ち付けたくなる。生徒が可愛そうだ」と、嘆く。
イギリスの生徒たちには、いや、先生たちにも「中国式」教育がまったく通用していない。
特に興味深かった一場面では、中国人教師が生徒に、「親の言うことは常に正しい」と諭す。
すると生徒たちは、まっこうからこれに反発。
「中には、人種差別主義だったり、女性嫌いの親だっている。親の考えが間違ってることだってある。親の考えが常に正しいなんて絶対に言えない。そんなのおかしい」、と教師に対して堂々と反論する。
これはその通りだと思う。
授業中は教師に絶対服従、時には発言も質問も禁止。
そのやり方こそが、自主性を重んじているイギリス人の生徒たちには受け入れられないのであって、中国では成功している教育方法も、国が違えばまったくうまく行っていないのは明らか。
そんな授業風景を見ていると、中国式教育は独立思考や想像力を育てようとしているのではなく、従順なだけの生徒をただひたすら量産しようとしているかのように見えてくる。
大人は、子供たちには「いい教育」が必要だという。
それは万国共通で、「教育こそが重要だ」、という。
そのこと自体にまったく異論はない。
でも、その「いい教育」とは、一体どんな教育なんだろう?
番組はまだ続いている。
今もっとも目が離せない番組。
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