オフィスでパソコンがひとり一台与えられるようになり、メールやインターネットが導入されてから、仕事環境は大いに変わった。
私が社会人になりたての頃は、パソコンは職場に数台しかなく、何人かで共有するのが普通だったし、メールなんて、そもそも存在しなかった。
パソコンの導入以後は、手書きの書類が激減し、前年に他の誰かが作ってくれた資料をコピーして数字を上書きすれば、今年のものがあっという間にできてしまう。
なんでもかんでもコピーして上書き。
郵送でのやり取りもなくなって、メールで迅速な情報共有が可能になった。
お陰で、仕事はものすごく楽になった。
・・・そのはずなのに、忙しさは変わらない。
むしろ、物凄くやることが増えているような気がする。
楽になってるはずなのに、全然楽じゃない。
なぜだろう。。。
そういう便利なツールや機械の導入によって、いわゆる「人」が減っているからに違いない。
ここ数年、よく聞くようになった「マルチタスク」という言葉。
複数の作業を同時にこなす能力を、「マルチタスク」能力という。
今、最も求められているのは、この能力で、「あの人、マルチタスクができないんだよね・・・」、というな文脈で使われたりする。
・・・がしかし、そんなのできなくて当たり前、だと思う。
人間はコンピューターではない。
いくら世の中が便利になったとはいえ、人間はパソコンのように、いくつもウィンドウを開いて同時に業務がこなせるわけじゃない。
「マルチタスク」は、いまやできるサラリーマンのキーワードになりつつあるけれど、「一つのことに集中している時よりも、ミスが増えたり作業スピードが低下してしまい、タスクが複雑になればなるほどこの確率も高くなる」というのは、人間なら当たり前のこと。
誰しも実体験で知っているはず。
たとえば「歩きスマホ」。
歩く速度も、文字を読むスピードも落ちる。
100メートル走と、同じ文字数のメールを送るタイムを競う時、走りながらテキストを打つ人はいないだろう。
全力疾走した後に、テキストを打った方が早いに決まってる。
「マルチタスク」信仰は良くない。
人はそもそも「シングルタスク」仕様なのだ。
とはいえ、仕事の場合は、自分ひとりの力ではどうにもならないことが多い。
何かの要因で阻まれ、一つ終わったら、また一つ、と都合よく進まないのが仕事。
だから人間は大変なのだ。。。
最近つくづくそう思う。
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