海外ドラマが好きで良く見る。
特に刑事もの、推理もの。
アメリカのドラマもイギリスのドラマも、有名なものはほとんど見ているけれど、共通しているのは、話す言葉が「英語」、ということだけで、それ以外はまるで違って興味深い。
アメリカのドラマはスケールが大きくて、カーチェイスなんかもとにかく派手でダイナミック。
ストーリーも現実離れしているものが多い。
出てくるのは、モデルのような華やかな美男美女で、CIAもFBIも、NYPDも、そこはまるでモデルエージェンシー。
犯人を追いかける姿さえも惚れ惚れするほどかっこいい。
雨の日の設定はほとんどなく、太陽が輝く青空、高層ビル、キラキラのネオン。
そのせいか、映像がビジュアルとして非常にビビッドで美しい。
一方のイギリスドラマ。
どこか暗い・・・。
本当に暗い・・・。
ストーリーは、明日にでも自分の身に起こりそうな、身近なものが多い。
だからこそ、ものすごいリアリティーがある。
出てくるのは、どこにでもいそうなおじさん、おばさんばかりで、犯人を追いかける時もドタドタしていてカッコ悪い上、途中で息切れして追いつけなかったりすることもよくある。
しかも、刑事も犯人も、本人や家庭に何か問題を抱え、心の闇を持っていて、やたらと人間臭く物悲しい。
天気は常に雨か曇り。
そのせいか、映像は非常にダークで、色がくすんでいる。
だから、ポールが何かドラマを見ていると、イギリスものか、アメリカものかは、遠目からでも見分けがつく。
そして、一番大きな違いは、「拳銃」。
アメリカドラマは、犯人も刑事もすぐに銃を出す。
だがしかし、イギリスの場合は、警察官が丸腰で、特別な場合を除いて日常的には拳銃を携帯していない。
持っているのは警棒と催涙スプレーくらい。
相手がかなりの凶悪犯だろうが、ドラッグディーラーだろうが、拳銃ではなく警棒で向かっていく。
追い詰めたはずの犯人にボコボコに殴られて身の危険を感じても、催涙スプレーで反撃するのが精一杯。
安全と言われる日本でも、普通の交番勤務の警察官が拳銃を持っているのに、イギリスの警察官が拳銃を所持していないのは驚き。
「英国の警察業務は武装しないということに情熱を持っている」のだそう。
そして、もうひとつは、イギリスの監視カメラ=CCTVの多さ。
かつて、テロで多くの犠牲者を出した経験から、至るところに監視カメラが設置されているイギリスは、国民1人当たりの監視カメラの台数で世界最多を誇る監視大国。
ほとんど人が通らないような田舎町にも設置されている。
刑事ドラマも、監視カメラなしには語れない。
凶悪事件が起きると、「すぐに監視カメラの映像を集めろ!」と号令がかかる。
そして、その威力がすごいのだ。
部下たちは目をしょぼつかせながら、必死になって監視カメラの映像から事件解決の糸口を探す。
本気で調べてみれば、どんな小さな動き(人の出入りや、車の通行)も、必ずどこかの監視カメラが捕らえているから、どんなに緻密に犯行を計画したとしても、監視カメラの映像で、事実が次々と浮かび上がってくる。
丸腰デカと監視カメラで、イギリスの安全は守られているのだとわかる。
たかが海外ドラマ、されど海外ドラマ。
たかがドラマと侮るなかれ。
面白いだけでなく、異文化理解にも、とっても役に立つのでお薦めです。
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