幻冬舎「森瑤子の帽子」

「森瑤子の作品を読んだことがなくても『読み物』として本当に面白いから!」、という友人の薦めで、「森瑤子の帽子」(←本の詳細はコチラから)を読みました。

38歳で作家としてデビューして、52歳という若さで胃がんで亡くなるまで時代のアイコンとして、そのライフスタイルまでが注目の的となった作家の素顔について、交流のあった仲間や友人、秘書、編集者、娘、夫、など周囲の身近な人たちを取材してまとめたノンフィクション。

私自身バブル世代ですが、名前は知っていても森瑤子作品は一冊も読んだことがなく、今回はじめて作品も知らずに作家の素顔に触れたわけなのですが、友人の言うとおり、とても面白かったです。衝撃でした。

バックパッカーだった無職のイギリス人と出会って結婚して子供を産み、コピーライターとして働いていた広告会社を辞めて専業主婦になり3人の娘を育てながら、好きだった「書くこと」で人気作家になり、経済的には急激に満たされていくわけですが、心は常に虚しさを抱えて満たされないのです。

生活のために身を削って書き続けていたはずなのに、仕事で成功すればするほど、家庭内はギクシャクして、「家族との時間をもっと大切にするように」と求める夫とは夫婦喧嘩ばかりで崩壊寸前。

バブルの真っ只中、人も羨むライフスタイルの影で、妻として、母として、作家として、抱えきれない程の苦悩を抱えて生きていた作家の姿を思うと、とても切ない気持ちになりました。

時代が変わった今も、働く女性の、家庭と仕事の両立の悩みは尽きません。

女性として生きること、仕事をすることにについて考えさせられる本でした。お薦めです。

「幸せの基準」は、結局自分の中にしかないわけで、

他人が決めるものではないんですよね。

 

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