直木賞作家の山本文緒さんが、すい臓がんで亡くなったというニュースが飛び込んできました。
まだ58歳。
本当に驚きました。
ショックでした。
10年以上前に友人から「すごく面白い」と薦められ、初めて山本文緒さんの小説を読んだときにかなりの衝撃を受けて、一時期、何冊も続けて読み漁ったことがある大好きな作家のひとり。
山本さんの作品を読むたびに、「自分が経験した出来事でもないのに、どうしてこんなにいろんなタイプの女性の気持ち、繊細な心の動きがわかるんだろう?」と、心の底から思ったことを今でもはっきり覚えています。
その後、インタビュー記事か何かで「友人、知人の体験談をもとにしている」ことを知りましたが、そうだとしても、人の話を聞きだす能力、心の機微を描写する能力が凄まじい天才作家だと思いました。
「ドッペルゲンガー」=分身、という言葉をはじめて知ったのも山本さんの「ブルーもしくはブルー」という小説を読んだとき。
読みだしたら止まらない、そんな小説ばかりで、夫の故郷・イギリスと日本を往復する長時間の退屈なフライトの時に機内に数冊持ち込み、何度も助けられたものです。
そうだったはずなのに、その後、作品を読む機会がなくなっていたのは山本さん自身がうつ病を患い、新刊を出していない期間があったからだったんだと今になってわかりました。
「直木賞を受賞したプレッシャーからうつ病を発症」とある記事で知りましたが、作家としてますます飛躍するはずの賞がまさか・・・。
受賞していなかったら、より多くの作品を世に送り出すことができていたのかもしれません。
人生って本当に皮肉なもの。
小説に出て来る主人公たちと同様、真面目で繊細で、生きづらさを抱えた女性だったんですね。
山本さんがうつ病と癌を克服することができたなら、もの凄く奥が深い新刊を読むことができたのではないかと思います。
もう新刊が読めないこと、本当に残念でなりません。
ご冥福をお祈りいたします。
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コメント
この作家のものは、一冊も読んでいませんでした。
直木賞をとったとき、チェックはしましたが、(この歳で)これから何かを再確認させられるのはキツいな、かといって影響をスルーはできないな(笑)と思い、読むのをやめた記憶が。
私には、タイミングが合いませんでした。
身を削った方でしょうか。
私がこの作家さんの作品を夢中になって読んでいたのは、結婚前後でした。
今思えばあの頃だったから、タイミングがぴったりだったんですね。
もし今、代表作の「恋愛中毒」を初めて知ったとしたら、きっと読まないと思います。
恋愛とかはもうね・・・。タイミングってありますよね。
追記 : ひとりキャンプのヒロシさんの訃報に(もっと)驚きました。
芸人のヒロシかと思ってびっくりしましたが別人なんですね。
芸人のヒロシです
私が知っている、「ヒロシです。」の決め台詞で一世風靡した「お笑い芸人のヒロシ」さんではないですよね。
「ヒロシさん死去をあっちのヒロシと勘違いしてる人もいるとです。」と、ネットニュースにありました。
!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!
ドッペルゲンガーって久しぶりに聞きました。膵臓癌とうつ、悲しいですね。自分から見れば、作家さんなんて、自分の好きなこと職業にしてるから、毎日楽しんだろう、くらいに考えてました。それぞれに人は悩みやストレスを抱えているのですね。
膵臓癌も鬱も、本当に悲しいです。
才能ある直木賞作家がうつになるなんて・・・、私もそう思っていました。
小説家を目指して、一作品も世に出せない人もたくさんいるのに。
悩みもストレスも、他人との比較ではなく、結局は本人次第ってことですね。