話題のフォトエッセイ、渡邊渚さんの「透明を満たす」を読みました。

正直なところ、どうしてこのタイミングでフォトエッセイなんて出すの?!って思っていました。
エッセイは彼女の生い立ちから始まります。
ごく普通の家庭で育ち、周囲に迷惑をかけないようにと小さい頃から忖度が身についていた素朴で純粋な、賢くて超のつく真面目な子。
妹さんとの可愛らしく微笑ましいエピソード。
就職してからは精一杯仕事をして、先輩たちに言われたことを素直に守る、そんな愚直な「人となり」がよくわかる内容です。

それが、「心が殺された日」のチャプターから一変。
ここから先は涙ナシには読むことができませんでした。
ある日の出来事をきっかけに、心も体も理不尽に蝕まれてしまうのです。
想像を絶する内容でした。
印象的だったのは、彼女が人生を諦めようと自傷行為を行った時のこと。
その時、家族や大好きな人たちの顔はまったく思い浮かばなかったとのこと。
それほど心の傷は深かったのだとわかり号泣しました。

声をあげても周囲の人たちに耳を傾けてもらえず、人間不信に陥って行くエピソードが赤裸々に。
周囲の人たちは、恐らく彼女がこれほどまでに深く傷ついているとは思いもしなかったのでしょう。
これから社会人になる世代、社会人になる子を持つ親世代、多くの人に読んでもらいたいと思います。
衝撃的過ぎて、今も頭の中で整理が追い付いていません。。。
読んで頂けたら↓
コメント
自傷行為って、自殺行為ではなく、生きるために行う行為だそうです。人生の苦しみから抜け出すために、自らを傷つけて満足感を得る。脳内の麻薬様物質が出るという研究もあるようです。しかし、我々は自傷行為🟰自殺願望、アピール、精神疾患と結びつけてしまう、間違った認知が広まって、その人を避けてしまいがち。だから、この人も避けられてると、苦しんだんだと思われます。本を読んでいないので、あくまで私見ですが。
そういうことなんですね、納得です。
死にたいわけじゃなくて生きるためだから、友人や家族の顔も思い浮かばないってことですよね。
目から鱗!です。
苦しくて人生を投げ出したいほど辛いけど、生きたかったんだ・・・とよくわかりました。