「新聞配達の誇り」。
昨日、12月16日(木)の北海道新聞朝刊、女性だけの投稿欄、生活面「いずみ」に掲載された読者投稿のタイトルです。
投稿したのは、私の母。
身内のことゆえ、手前味噌ではありますが、本当にあったいい話なので全文をご紹介。

「冬到来。転倒や骨折を防ぐために、「冬道歩行慎重に」との記事が新聞に載っていましたが、私は今年2月、歩いていて雪道で滑り転んでしまいました。『あっ、転ぶ』と、まるでスローモーションのような感覚でした。
あまり痛さは感じなかったのですが、大腿骨骨折で入院、手術となり、情けない気持ちでした。
私より1日遅く入院してきた50代の女性は、24年間も朝刊の配達をしている方でした。ブラックアイスバーンで自転車が滑り、運悪く足が自転車にひっかかったまま倒れてしまったそうです。

「痛い、痛い」と思いながらも暗がりの中、散らばった新聞を拾い集め、重い自転車を押しながらいつもの倍の時間をかけて配り終えたそうです。半泣きで自宅に戻り、即入院。右膝の下が陥没し、大変な手術でした。
新聞を待っている人たちになんとしてでも届けたいという責任感に心打たれました。24年間午前3時起床を続けてきた習慣で、その時刻になれば目が覚めて眠れないのがつらいと嘆いていました。
販売所に迷惑をかけられないと、病室で退職届を書きながら『足がよくなったらまた配達するかもしれない。だって私、新聞配達を誇りに思っているし、好きなんだ』と、目を輝かせて言った言葉を忘れません。
毎朝当たり前のように届く新聞は、配達する人の誇りと責任感に支えられているのです。頑張れ、新聞配達員さん!」。
― 北海道新聞 2010年12月16日 朝刊生活面「いずみ」欄より ―

これは、今年1月3日に父が急死し、父の四十九日を迎える前日に雪道で転倒して大腿骨を骨折、父の納骨に立ち会うことなく入院を余儀なくされた母の(←その頃のことは「四十九日の悲劇」をクリック)、その入院生活でのエピソードなのです。
母の入院中に、私自身も何度もお会いしたこの女性は、朝刊配達に行く時間になるとどうしても目が覚めてしまうので、大部屋の人たちに迷惑をかけないように、ひとりロビーでずっと本を読んでいたそうです。
「新聞配達には『素手』が一番いい」と、寒い冬の日でも素手で新聞を配っていたことや、子供が生まれてすぐに新聞配達の仕事をはじめ、子供が寝ている間に仕事を終えることができる新聞配達は自分のライフスタイルに合っていたこと、その娘さんも今24歳になったこと、静かな早朝の住宅街で新聞を配りながら季節の移り変わりを目で見て、肌で感じるのが楽しみだったことなんかも話してくれました。
毎朝、いつもの時間に受け取るのが当たり前の新聞は、真夜中に起きて準備をし、読者の家に確実に配達してくれる人があってのこと。

骨折して手術が必要なほどの大怪我をしてでも、痛みをこらえて配り終えたというこの女性の責任感には本当に心を打たれます。
この日、自宅に届いた新聞が、怪我をして足を引きずった女性が、目に涙を溜めて、信号のある大きな道路をどうやって渡りきるかを考えながら、とにかく必死で配達してくれたものだということに気づいた人は恐らくひとりもいません。
新聞配達の方に感謝の気持ちを忘れずにいたいものです。
読んでいただけたら、
↓
人気ブログランキングのクリックをポチッとしていただけると嬉しいです。
ついでに、わんこ好きの方は、
↓
にほんブログ村ウエスティのクリックもポチッと!
←人気ブログランキングに参加中♪
コメント
心が温まる、素晴らしいお話をありがとうございます。
当たり前のように、配達される新聞にも、配達する方の気持ちがこもっているのですね。
お母様もご自分が大変な時期に、その方の気持ちに気付いて、大切に思う、その心の寛さに感動しました。
改めて、常に感謝の気持ちを忘れないように。
今日のeri-ponさんのブログ、大切にします。
日々人は当たり前のように暮らしていて、感謝の気持ちを忘れています。その代表者が私です。
新聞配達のかたも、本当にたいへんだと思います。
今時は、朝だというのに真っ暗で。以前は、外灯を消して寝ていました。でも、朝の異様な暗さに気付いてからは、つけたまま寝るようにしました。暗いところで、転んだらたいへん。私のほんの感謝の気持ちです。なのに、ご近所の方、つけていない人が多いんですよ。
そして、我が家のクレア、新聞が届くとすごい勢いでかみます。
新聞の来る時間をもうだいたいわかっていて、待ち構えているので、配達のかたに申し訳ないです。
日曜日の夕方のクレアの背中は、哀愁漂います。
入院されている時は、ご自分の体だってたいへんだったのに、他の方の優しい気持ちに気付くなんて、素敵なお母様ですね!