朝食の後に新聞を読んでいた時、「異常な勤務、なぜ放置」という見出しの記事が目に留まった。
先日、NHKが公表した女性記者の過労死のニュース。
「亡くなった時も携帯を握ったままだった」と、この悲劇的なニュースが大きな話題になっているけれど、その公表を受けて、ご両親が厚生労働省で会見を行ったというもの。
記事の最後に、
「結婚が決まっていた未和さんは、婚約者に指輪をはめてもらい荼毘(だび)に付されたという」、
とあった。
その短い一文を読んだ瞬間、目から「ぶわっ」と、まさに「ぶわっ」と涙があふれてきた。
涙があふれて止まらなくなった。
この記事だけじゃ全貌がわからない、もっと知りたい、もっと読みたい。
両親の会見全文が知りたくなってネットで検索すると、両親会見全文が、こちら(←詳細はタイトルをクリック)のサイトにのっていた。
サイトの真ん中あたりに出ている両親会見全文を読んでまた泣いた。
嗚咽。
父親の発言。
「後日、NHKから提示された未和の勤務表を見たときに、私は泣きました」。
休みもほとんどなく、未明に仕事を終えて、数時間後には仕事を始めているハードな日々が続く勤務表。
亡くなる直前の1カ月間の時間外労働時間は、発表とは異なり、ご両親が調べて労基署に出したのは209時間、その前の月が188時間というような状況だったそうだ。
「自分で選んだ仕事に誇りを持って記者としてのキャリアを一歩一歩積み上げ、めったに弱音を吐いたり、泣き言を言わなかった」未和さんが、亡くなる直前に父親に送ったというメールの一文が紹介されていた。
「忙しいしストレスもたまるし、1日に1回は仕事を辞めたいと思うけれど、ここは踏ん張りどころだね。この年になって辞めて家事手伝いになると、結婚もできないわ」。
100カ日の法要の席では、同じ職場にいた同僚が、「要領が悪く、時間管理ができずに亡くなる人はエースではありません」と話したという。
ハードな勤務で辛くても周囲にSOSを出せない職場の雰囲気、勤務実態、葛藤が目に浮かぶ。
母親の全文を読むと、さらにその様子がよくわかる。
「NHK入局後の最初の赴任地は鹿児島。母娘ともに有頂天になりながら電化製品、必要な家具を買いそろえ、任地に送りました。(中略)、4回ほど鹿児島に行きましたが、未和は仕事で時間がとれず、一緒の思い出は残念ながら皆無でした」。
「平成22年、念願の東京勤務が決まりました。一度、未和が都庁近くのホテルで昼食をごちそうしてくれたことがありました。バタバタバタと来て、さーっと職場に戻る姿は、今でも目に焼き付いています。そこで珍しく未和がぼやいていたことは、都庁クラブでの人間関係が鹿児島時代とはまったく違って希薄だということでした。それでももう少し頑張ってみる、ということで口出しは控えました」。
「後にも先にもたった1回だけ実家に泊まりにきてくれたことがありました。私がいろいろと作った夕食をまるで飲むように平らげ、ささっとカラスの行水。自分でヨガを済ませると、すぐお布団へ」。
「学生時代からは考えられない手早さに、仕事が人間をつくるってこういうことなんだなあと感心しました」。
家族と過ごしている時でさえ、リラックスすることができずに、常に仕事に追い立てられている様子がよく伝わる。
それが辛い。
会見の最後、父親は集まった記者に呼びかけたのだそうだ。
「この場に未和と同業の記者の皆さんがいらっしゃる。自分のこととして考え、未和のような過労死で亡くなるということが絶対にないようにしていただきたい」。
心からの訴え。
電通の事件もそうだ。
命より大切な仕事など、この世にない。
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