『今日、何食べたい?』
と聞いたのは、珍しく私。
先日、実家に帰ったとき、食事はどうしてるのかと聞かれて、
『ポールがいつも作ってくれる』
なんて能天気に言った私に、
『ポールさんにばっかり甘えるんじゃない!』
と妻としてのいたらなさを、母に思いっきり叱られ、今日は俄然やる気。
でも実際のところ、リクエストを聞いてはみたものの、料理が大の苦手の私は、レパートリー・ゼロ。
そのことを一番良く知っているポールからのリクエストは、
『ポテトがたくさんあるから、ポテト料理がいいな』。
そうか、ポテト料理か・・・。
ポールの方がうまいに決まってる。
一気にやる気を失っていると、それを察したポール、
『チリコンカルネとジャケット・ポテトはどう?僕が作るよ』。
結局、いつも通り、ポール・メイドのチリコンカルネのできあがり。
ウ、ウマい
本当にウマい。
メキシコ料理店で食べたときの味にそっくり。
なんて、感動してる場合じゃないよー。
心の中で涙しながら味わっている私に、『今日は、どうして自分が作るなんて突然言い出したの?』と怪訝そうなポール。
事情を説明すると、ポールはプッと噴き出して、
『僕は、日本人じゃないから、妻が料理するべきとか、そんな風に考えたことないよ。
Eriは、料理苦手だから、できないだけでしょ。
料理は、僕の方が得意なのは明らかだし、好きだから作ってるだけだよ』。
本当、ポール?
本当に本当に本当?!
あ~良かった!
じゃなくて、
どうしていっつもこうなっちゃうの
ディナー・テーブルの下に目をやると、バブーのダラーっと伸びた下半身が。
いいな、バブーは。
ドッグフードさえあれば幸せだもんね。
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