不謹慎の定義

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先日、なにげなくＦａｃｅｂｏｏｋを見ていた時、小林麻央さんの死から数日後に、ディズニーランドで遊ぶ海老蔵さんと子供たちの姿が目撃されて、「不謹慎だ」と話題になっていることを知って驚いた。

海老蔵さんのブログの更新頻度が多すぎることも批判されているという。

妻が亡くなったばかりなのに「不謹慎」だというのが批判の理由。

これを知って、なんとも切ない気持ちになった。

不謹慎（ふきんしん）とは、「慎みや考慮、思慮分別の欠如などを指して言う言葉で、それを見る他者を不快にするような状態であると感じられる事象あるいは集団感情のこと」なのだという。

切ない気持ちになったのは、楽しそうにディズニーランドで遊ぶ海老蔵さんや子供たちの姿やブログの更新が、一部の人を不快にした、ということだ。

海老蔵さんは、少しでも子供たちの気を紛らわせてあげようと、楽しませてあげようと思ったのだと思う。

子供たちの笑顔を見たい、天国の麻央さんに見せてあげたいと思ったのだと思う。

それが麻央さんへの供養になると、「お父さんがいるから大丈夫だよ」、と。

だから、もし私がそんな残された家族の姿を見たら、きっと「前向きに日常生活に戻ってて良かった」と応援したい気持ちになることはあっても、決して、「不謹慎」などととは思わない、思えない。

ブログの更新についてもそう。

どこにぶつけることもできないような、直接面と向かって人には言えない気持を吐き出すことができるのが、ブログなのだと思う。

悲しみを乗り越える方法は人それぞれ。

愛する人を亡くして悲しまない人なんていない、いるわけがない。

残された人は、経験したことのない喪失感を抱えて、なんとかして乗り越えようと必死でもがいてる。

そのもがく姿が、自分の感覚と違うからと言って批判するのはフェアじゃない。

最愛の妻を亡くして、一番つらいであろう夫の、子供たちと一緒に前向きに生きようとする行動が不謹慎だと追い打ちをかける…そんな風潮がはなはだ疑問でならない。

私の父が急死して、葬儀を終えて職場に復帰した時、周囲の人たちが、まるで腫れ物に触るように、そっと見守ってくれた中、親友のミチコだけが、「仕事、大丈夫だった？辛いのがわかるから、もし良かったら、仕事が終わったら一緒に飲みに行こう」と誘ってくれた。

父が亡くなった直後に女友達と飲みに行くなんて、「不謹慎」だと思われそうだけれど、その時はそれが嬉しかった。

たくさん話して、一緒に泣いて、本当に気持ちが楽になった。

悲しみをいやす方法は人それぞれ。

今の時代だからこその、ネットで増える「不謹慎狩り」の風潮は非常に怖いと思う。

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