怖がりバブー

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近所の古いアパートが取り壊されることになった。

もう人が住めない程古かったのか・・・驚くけれど、恐らく解体直前まで満室と思われて、しかもほとんどが大家族だったようで、各部屋の前にいつも今時珍しいくらいの洗濯物が外に干されていた。

夏になると玄関のドアを開けっ放しの部屋がほとんどで、なんとも開放的というか、無防備というか、この物騒な時代に、隣近所の連帯感、古き良き「昭和」を感じさせるのんびりした雰囲気のアパートだった。

バブーのお散歩コースにあるそのアパートは、時々、開けっ放しの玄関ドアから、なんともいえない食べ物のいい匂いがしてくるので、バブーが鼻をくんくんさせながらその部屋に近づいて行こうとするのを止めるのがいつも大変だった。

その大好きだったアパートの解体工事が、今はバブーの敵。

超怖がりで大きな音が苦手なバブーは、工事の音がしてくると震えが止まらなくなってしまう。

お散歩に行こうと外に出ても、その解体工事の音のせいで、尻尾も下がって、今にも泣き出しそうな顔で家に戻ろうと訴える。

今朝は2度お散歩に行こうとしたけれど、2度とも無理だった。

音と言えば、花火も苦手。

運動会の開催を知らせる朝の花火、夜空を彩る夏の花火。

どっちもバブーにとっては恐怖以外のなにものでもない。

気の毒なほど全身をブルブル震わせて、呼吸は激しく、よだれがダラダラ、いつも大変なことになる。

どうしてこんなに音が苦手になったのか。

小さいころはまったく平気だったのに、本当に不思議。

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