堀江貴文氏の著書『多動力』を読んだ。
「『多動力』とは何か。それは、いくつもの異なることを同時にこなす力のことを言う」、から始まる。
次から次に、自分が好きなことをハシゴしまくる「多動力」こそが、今の時代を生きるために最も必要な力だと説く。
目次には強烈なタイトルが並ぶ。
・一つの仕事をコツコツとやる時代は終わった
・サルのようにハマり、鳩のように飽きよ
・電話をかけてくる人間とは仕事をするな
・大事な会議でスマホをいじる勇気をもて
・おかしなヤツとは距離を取る
・99%の会議はいらない
・ヒマな人ほど返信が遅く忙しい人ほど返信が速い
激しく同意する内容もあったけれど、いやいやいや、それはホリエモンさんだからできることであって・・・、と思う内容も多かった。
「限られた時間しかない人生。いつも多動でいるために一番大事なこと。それは、1日24時間の中から「ワクワクしない時間」を減らしていくことだ」。
ふと、このフレーズ、どこかで聞いたことがある、と思った。
そうだ、数年前にブームになって読んだ、近藤麻理恵さんの、「人生がときめく片づけの魔法」だ。
大きなブームとなった断捨離。
残す物と捨てる物を決める判断基準は、「ときめくか、ときめかないか」の二者択一。
この発想は、とてもシンプルで分かりやすく、その後の我が家の断捨離で大いに活用させていただいた。
それを思い出した。
仕事、生き方も同じで、自分がワクワクしないことは自分の時間から即刻捨ててしまえ!ワクワクすることだけで24時間を満たせ!、というのが本の趣旨。
堀江氏は、自分がワクワクしないことは、すべて他人任せにしているそうだ。
掃除や洗濯はまったくワクワクしないから、ホテル暮らし。
洋服もすべて他人に選んでもらうのだという。
なんともあっぱれ。
時間の使い方にまったく無駄がない。
仕事の、人生の効率化を追求するとこうなる、ということだと思う。
だがしかし、効率化を求めるあまり、「心」や「気持ち」がどこにもないのが、読んでいて最後までとても気になった。
「おかしなヤツとは距離を取る」という章では、たとえば新幹線の中で、「『堀江さんの本を読んですごく感動しました。ありがとうございます!』と話しかけられても、『だから何?』としか言いようがない」、というエピソードが紹介されていた。
突然何の前触れもなく話しかけて、自己満足の報告のために自分の時間を奪わないでほしい、というのがその理由。
「会社に辞表を出す時だって、書面ではなく2行のLINEで構わない」。明らかに会社を辞めたがっている部下から、「お話があるので時間を取ってください」と言われて貴重な時間を割き、結局辞められたのではかなわない、というエピソードもあった。
「『多動力』を身につけるには、どんな仕事や技術力を身に着けるより、『感情』のフィルターを外すことが先決だ」、とはっきりと言い切っている。
周囲の人や他者への「思いやり」や「気配り」は、人生の効率化、「多動」でいるために、最も邪魔なものだと言わんばかり。
アマゾンのレビューを見ても、評価がものすごく高いけれど、こういう進め方で仕事をしていて、人に喜ばれるようなサービスや商品をどうやって作れるのだろう?という根本的な疑問が残った。
自分のワクワクばかりで、周囲の人のワクワクにはまったく無関心な経営者が成功するのだろうか?
一切の無駄な時間を排除する生き方、効率重視ばかり考える日々、想像しただけで逆にヘトヘトに疲れ果ててしまう。
読んでいただけたら、
↓
人気ブログランキングのクリックをポチッとしていただけると嬉しいです。
ついでに、わんこ好きの方は、
↓
にほんブログ村ウエスティのクリックもポチッと!
コメント