イギリス史上最大の冤罪事件

年が明けたばかりのイギリスで今一番ざわついている話題がイギリス史上最大と言われる冤罪事件。

イギリスの郵便局のスキャンダルですが、この実話をもとにしたドラマがITVという放送局で放映されたことで一気にトレンド入り。

日本では今までほとんど報道されることはありませんでしたが、実は日本の企業・富士通が絡んでいる話なんです。

「英国郵便局の窓口業務を手がける英ポストオフィスで大量の冤罪が生じた。長年にわたって郵便局長550人に、誤って横領の罪を着せていた。20年ほど前に構築した勘定系システムにバグがあり、窓口の現金とシステム上の残高に不整合が頻発していたのが原因だった」、というもの。

その問題となっている勘定系システムが、富士通の会計システム「ホライズン」(←詳しい記事はコチラから)。

気になる方はリンク先の記事を読んでもらうのが一番いいのですが、勘定系システムの不具合によって、2000年から2014年の間に700人以上の郵便局長が窃盗や不正経理の罪を着せられ、それぞれが横領したとされる額は日本円にして数千万単位で、犯してもいない罪で仕事も家も信用も何もかもを失い、離婚や破産、中には自殺した郵便局長もいるという話なのです。

原因は郵便局が導入したシステムのバグ。

この話を読んでいて、本当に怖いなと思いました。

今はどんどんオンラインになって、銀行も紙の通帳ではなくスマホのアプリを薦めてきます。

そういう時代なのかな、と思っていましたが、もしシステムにバグがあったら!?

自分では一銭も引き出していないのに、突然預貯金の残高が0になったとして、それがバグだとしても、システムは堅牢でバグがあるはずはなく、全額引き出したのはあなたでしょと言われて、そのバグを証明することができなかったら!?

ホライズンのケースでも、多くの郵便局長は自分は悪いことは何もしていないので、完全にシステムのバグだと気づいていました。

でも、それを証明する術がない。

システムの「ヘルプ・センター」に電話をしても、「システムは堅牢で問題はない。そのようなクレームは『あなただけ!』」と一蹴され、ITに強くない郵便局長たちは自分が操作中に何らかの間違いをしてしまったのではないかと自分を責めるんです・・・。

昨日まで無借金だったのに、突然、残高が合わないから横領した3,000万円を払えと言われて払える人なんていないと思いますが、「払うか、罪を認めるか」と迫られて、仕方なく犯してもいない罪を認めた郵便局長も。

家庭はめちゃくちゃ、メンタルもめちゃくちゃになって、本当に酷い話。

なのに、この事件、いわゆる郵政省のトップもシステム開発の責任者も、いまだ誰ひとり責任を問われていないんです。

「不整合と言われたあの3,000万円は一体どこに行ったの!?」。

罪を問われた郵便局長の悲痛な問いかけ。

正義が勝つことを祈らずにはいられないこの事件。

加速するネット社会だけに、自分もいつなんどき巻き込まれても不思議ではありません。

自分事として裁判の行方を注目しています。

 

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コメント

  1. ここ数日、ようやく報道になってきましたね。
    富士通の幹部は当初からシステムの欠陥を知っていたとの証言もあり、事実としたらとんでもないことです。
    多くの方の尊厳と人生が歪められたこの事件、徹底的な調査と責任の所在の明確化、被害の回復を望みます。

    • 日本でもようやく報道されるようになってきました。
      これ本当に酷い話で、ドラマの中で何度も富士通の名称が登場しますので、富士通の信用は失墜。
      英語圏ではもうやっていけないと思います。あってはいけない事件。

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