見入ってしまった。
日大の「アメフト反則タックル問題」を起こした選手の記者会見。
あんなにたくさんの報道陣、無数のカメラの前で記者会見に応じ、記者からの意地悪にも思える誘導質問にも、ひとつひとつしっかりと真摯に答えていた。
最後の最後まで、「たとえ監督からの指示だったとはいえ、やったのは自分。断ることもできたはずで、悪いのは自分」と頭を下げた。
その姿に見入ってしまったのは、あまりにも見るのが辛かったから。
彼くらいの子供がいてもいい歳になった今、私が彼の母親だったら・・・。
そう思うと、辛くて悲しくて。
今回のことが、彼の将来に与える影響は計り知れない。
明るい未来が待ち受けているはずの、二十歳の学生なのに。
反則行為も、記者会見も、そんなことをさせたオトナが悪い。
この問題について、北海道新聞夕刊のコラムに、「この愚挙から感じるのは、監督の、自らが率いるチームと選手に対する『敬意の欠落』である」、とあった。
「反則を指示されたとされる選手にとっては、監督から『退場になっても構わない戦力』と言われているのと同じだ」、と。
激しく同意。
監督として、勝つことがすべてであって、自分ファースト。
勝つためなら手段は問わず、選手の将来に及ぼすマイナスの影響など考えてもいない。
コラムの結びにはこうあった。
「監督というポストは、チームだけでなく、選手個人の行く末までも左右する可能性を持つ。もっともっと慎重に選定すすべきだと思う」。
監督のみならず、組織のリーダーすべてに当てはまること。
組織の在り方を左右するのは、大学のアメフト部であれ、国であれ企業であれ、「リーダー」。
そして、最も理想的なリーダー像は、老子の哲学によれば、「自分の存在を意識させないリーダー」なのだという。
「オレのおかげで」と自分の力をアピールしたくなるところを、素知らぬ顔で部下のために行動する。
それが理想だと考えれば、今回のケースは真逆。
理想的なリーダーの本来の役割は、「組織を自然に、より良い方向に導くこと」。
そういう意味で、今回問題となった監督には、その資質なし。
そのことがわかったこと、そういう監督が若者の将来を奪っていることを世間が知ったことは、これからさらなる犠牲者を出さないために大きな意味がある。
しかし、辛い。
辛すぎる会見だった。
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