大手英会話学校で講師として働いていたときの話。
おかしなレッスン その1
新しく入会した70代の紳士
とある会社の社長さんというこの男性。
入会時の相談によれば、
「年に数回ビジネスでアメリカに行っているので、ビジネスで恥をかかないよう、完璧な英語を身に付けたい。だから徹底的に間違いを指摘して、厳しく指導してもらいたい」
というのが本人の希望。
久々に教えがいのある骨太の生徒が入会した、とばかりに張り切る外国人講師達。
そして、レッスン。
彼の英語は、かなりひどかったらしく、言われたとおりに厳しく指摘していると、
ナントその本人が、英会話学校側に、
「あんな若造に、いちいち注意されたくない。非常に不愉快だ」と大クレーム。
ネイティブの若造が、年配の日本人を気遣っていたら、英会話の指導なんて絶対にできません。
同じ年頃の先生を見つけるしかありません。
おかしなレッスン その2
70代の男性。
レッスン直前、日本人マネージャーから彼のレッスンについて、ポールに注意が与えられました。
「第二次世界大戦の話はしたくないと本人が言っているので、絶対に触れないように」。
そして、初レッスン。
「ハロー!」とにこやかにポールが登場すると、
「君のお父さんは、第二次世界大戦を知っているかね?」
とこの男性から質問。
ポールは、「?!」。
嫌がらせ? 罠? テスト? それともマジ?
生徒さんに不愉快な思いをさせないように、というのが、英会話教室のオキテ。
質問をしてきたのが生徒さん本人だったので、とりあえず、正直に質問に答えたものの、それは果たして良かったのか、悪かったのか。。。
いまだに謎のこのレッスンですが、お客様が神様とはいえ、生徒さんも自分が言ったことに責任を持ちましょう!
でなきゃ、講師たちは、何を信じてレッスンをすればいいのかわかりません。
コメント
>「徹底的に間違いを指摘して、厳しく指導してもらいたい」
>言われたとおりに厳しく指摘していると、大クレーム。
あるある、よくある、そういう要望!
で、【本人は自分の発音がそんなにひどいと思ってないけど、実際はすっごく下手な方】に限って変にプライド高いですよ。特に男性。女性は指摘を素直に受け入れて向上するタイプ、若しくはそれに耐えられないタイプは静かに消えてゆく?
「喋ってる最中にいちいち直されたくない!」って。(これって、恥をかかされたという本末転倒の逆恨みだぁ)
でも、その都度指摘しなきゃいつ注意出来る?ってね。
その都度注意しなきゃいつ注意できる?ってポールもよく言っています。
そのまま指摘しないと、クセになっちゃいますからね。
間違いを指摘されて「恥」と感じる日本の文化がよくないんですよね。
言葉は、間違いながら覚えていくもの。
最初から完璧に話せる人なんていないんですもの。
本当は「恥」でもなんでもないのに。
このような場合、まず意識改革からですね。